風月花 (ページ13)

今日:14 hit、昨日:5 hit、合計:20,249 hit

13 過去話ページ13

.

その頃からジェミンとは完全に打ち解けて、ジェノよりも話す回数が多かった気がする

ジェノ「…最近Aがジェミナばっかりで俺を無視する、」

「ええ？！してないよ？」

ジェノ「じゃあ俺にも構ってよ。寂しいんだけど？」

なんの意味のない言葉でも、期待してしまって。一人で喜んで幸せで…わざと意地悪したり、ジェミンと手を組んだり、今思えばその頃がいちばん楽しかったように思える。

あっという間の三年間を終え、私たち全員で同じ大学に進んだ。学部は違うけど、昼休みや放課後は集まって五人で過ごして……ずっと続くと安心していた。

三年になった頃、徐々にみんな忙しくなり集まる時間も減ってきたときに、

……………ジェノに彼女ができた。

私は知らなくて、それを知ったのは大学内で仲良く腕を組んで歩く二人を見た時だった。あの時の衝撃も未だによく覚えている

ジェミンに、ロンジュンに、あのヘチャンだって慰めてくれた。私がずっと片思いしていると知っていたから

ジェノ「A、伝えるのがおそくなってごめん。俺ね」

「彼女でしょ？知ってるよ」

ジェノ「やっぱり知ってた？」

「良かったね。…………おめでとう」

震えた声を抑えるように精一杯出た声は聞こえたのか分からないほど、でも

ジェノ「Aありがとう。」

よく知ってた。本当に幸せな時、嬉しい時にしか見せない彼の笑顔を。その笑顔を見たら、私はもう何も彼にしてあげられることは無いんだと、思わせられた気がする。

…忘れよう。忘れた

思い出さないように過ごしてきた日々。私がもう少し、勇気を出していたら、私があの子(・・・)だったら、

そう思えば思うほど、鏡に映るわたしが醜くみえた

.