魔法 ページ24
「そだ、ねーねー、トレイくん、アレやってよ。」
「アレ？…ああ、アレか。」
思い出したように私たちへ好物を聞くトレイ先輩。
「オレは、チェリーパイとハンバーガー」
「オレ様はツナ缶なんだゾ。あとは、チーズオムレツと、焼いた肉と、プリンと〜」
「強いて言えばオムライス、ですかね」
「オレはラム肉のグリル・ディアボロソースかけ」
『僕、マロンタルト…』
「あー、そうだったな、マロンタルトの次に好きなのは？」
『じゃあ…イチゴのタルト…』
「タルトばっかりだな！」
そういわれましてもね、デュースくん。
こんなおいしいタルト、今までそんなに食べれなかったんですもの。
大好きな甘いマロンにイチゴ。
ほろっと崩れるタルト生地。
好きにならない人がいたら教えてほしい！！
「それじゃあ、いくぞ。…“ドゥードゥル・スート！”」
「…？これは？」
「ではマロンタルトをもう一口どうぞ」
『なにこれ！イチゴタルトの味になった…！』
マロンタルトを食べているのにイチゴタルトの味になったのだ。
先ほどから食べているマロンタルトの食べかけを食べたのに…
これがトレイ先輩のユニーク魔法…
皆が口ぐちに伝えた好物の味へと変化したことを述べる。
「俺のユニーク魔法は要素を上書きする魔法だ。味だけじゃなく、色や匂いなんかも上書きできる。今は味と匂いを上書きしてみたんだ」
『トレイ先輩…もう一回…次は、キャビアでお願いします』
「お、おう」
『次はフカヒレ…』
「ああ」
『トリュフ…』
「これ永遠に続くのか？！」
私はありとあらゆる食材を伝えた。
だって、一度食べてみたかったんだもん。
「お前、それ一度も食べたことないんだろ」
図星である。
「それじゃあ本当にそれがキャビアだとかフカヒレだとかわからないだろ」
正解である。
『いいんです。一回食べてみたかったんです』
「食感は違うがいいのか？」
ハッとする。
これらはすべてマロンタルトの食感である。
全てこのような食感だと思い込んでいた。
「馬鹿か」
私の抜けたところが露わになった日である。
『そんな憐みの表情で見ないでください』
グリムに盛大に笑われているし、もう帰りたい…
(おっちょこちょいって言わないで)
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とまきち(プロフ) - 警察官さん» ご指摘ありがとうございます。確認ミスでした。修正済です。 (2020年4月27日 14時) (
レス) id: d35989c5b0 (このIDを非表示/違反報告)
警察官(プロフ) - ピーッ！ 今すぐにオリジナルフラグを外しなさい！ これ、違反作品ですよ！ (2020年4月27日 13時) (レス) id: 5b2b5dccb5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とまきち | 作成日時：2020年4月16日 14時
