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ありふれた冒頭 ページ1

俺は菊池悠太(きくち ゆうた)
32まで普通のサラリーマンとして働いていた男。
一人上京し、今日で丁度13年目の冬だった。

俺はこの日、運悪く命を落とすことになったのだ…

職場までは少し遠く、いつも通り高速道路を使っていた俺はその日の出勤中に、煽り運転をされタイヤが滑り車ごと崖の方に転落した。
死ぬ前に覚えている記憶はハンドルが言うことを聞かず、焦って口の中を噛んでしまった時にした鉄の味だけだ。

「俺、死ぬんだ。」とは一切思わなかった。
ただ空っぽの頭の中でもやもやと霧がかかりながらも昔のことが少しずつフラッシュバックしていた。


あぁ、懐かしい。
フラッシュバックした記憶を見終わりゆっくりを目を開けると、そこには世にも不思議な光景が拡がっていた。
足元は水、全然浅くちょっと雨が多く降った日の水溜まりの様だ。水面に映るのは無数の星々。
上を見上げると赤い月と青い月が2つ、兄弟のように並んでいる。
こんな異様な光景本来であれば恐ろしいと感じるのだろう。俺は夢を見ている。感覚が麻痺しそう悟った。

「人間、ここに来てしまったか。」

頭も回らないまま物珍しい景色に夢中になっていると、俺の背後から少年の声が聞こえた。
昔っからお化けとかに滅法弱い俺は「うわぁぁ!」と何とも情けない声をあげて声のした方を振り向いた。
そして、恐る恐る自分の足元からゆっくりを顔を上げ、人物を確認しようとすると、

そこに居たのはただの少年では無かった。

アニメでしか見た事なかった淡い抹茶のような色の髪、
丁度空に浮かぶ青い月のような丸くて青い瞳、
海軍が着ているような白い軍服は
腕をまくっても手を出すのが大変そうな萌え袖。
極めつけにキョンシーの様に御札が顔にはられている。

見た目は完全にコスプレをしたショタだ。だが、

「ここは生と死の狭間。嘘と誠が入り交じり、通常であれば生きている人間に害をもたらす場所だ。
見る限りお前は人生の終わりを迎えようとしている。
…お前はこの先、もし未来が選べたらどうしたい。」

少年の言葉はまるで、俺よりはるか前から生きてきたような、厨二病だ!なんて笑い飛ばせるような軽い空気を帯びているものではなかった。

ありふれた転生→



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設定タグ:転生 , ありふれている , 夜_001   
作品ジャンル:ファンタジー, オリジナル作品
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てふる(プロフ) - 華月らいが??さん» コメありがとう✎* (2023年3月2日 1時) (レス) id: dafd7b38ae (このIDを非表示/違反報告)
華月らいが??(プロフ) - ♡♡ (2023年2月28日 22時) (レス) @page9 id: 79815a8cd5 (このIDを非表示/違反報告)
忍冬鳳凰(プロフ) - やばい。うますぎる。神作品ありがとうございます〜!! (2022年7月30日 15時) (レス) @page5 id: 3f85f1ded9 (このIDを非表示/違反報告)
てふる(プロフ) - 華月らいが??さん» 誠感謝致 (2022年7月28日 19時) (レス) id: 96b178e2b8 (このIDを非表示/違反報告)
華月らいが??(プロフ) - 好きです (2022年7月28日 19時) (レス) @page3 id: 79815a8cd5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2022年7月28日 15時

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