【A3!】幽霊擬きの居候【茅ヶ崎至】2 (ページ17)

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「あ、そうだ！小林さん、折角ですし名前で呼びません？」

「……え？」

「いいですね！至さんとシトロンさんだけ名前呼びでちょっとずるいなって思ってたんです！」

皆木くんの突然の提案に佐久間くんが賛成する。
シトロンさんを名前で呼ぶのは、他に呼び方がないからだし、至さんはそう呼ぶように言われたからだ。

「オレ、もっと小林さんと仲良くなりたいです！」

「……ダメっすかね…？」

「ううん。私も、皆と仲良くなりたいです」

そんなふうに言われて、恥ずかしいから嫌だ。なんて言えるわけもなく、何より同じ気持ちだから私は答える。

「Aさん！」

「うん。…咲也くん」

…咲也くんが私の名前を呼び私もそれに答える。
嬉しそうに笑う咲也くんを見て私も嬉しくなる。

「あ、えっと、Aさん……？」

「ふふ、はい。綴くん」

少し緊張した様子で呼びかける綴くんに答える。

「A」

「え…」

その様子を黙って見ていた碓氷くんが私の名前を呼ぶ。

「…名前でいい」

「…！ …うん、真澄くん。」

興味なさげだった真澄くんに名前で呼んでもいいと言われて嬉しくなる。
呼び方が変わるだけで、なぜだかとても近く慣れたような、親しくなれたような気持ちになる。

「う～～ワタシも呼んで欲しいネ～！！」

「シトロンさんは前から呼ばれてるじゃないっすか」

痺れをきらしたかのようにシトロンさんが声をあげ、綴くんが素早くツッコミを入れる。

「シトロンさん？」

「ふふ、Aに呼ばれるのはいい気分ネ」

何だか皆と仲良くなれた気がする。
……至さんとも、もっと仲良くなりたい。
もっとちゃんと話したい。
明日、ちゃんと伝えよう。