【A3!】幽霊擬きの居候【茅ヶ崎至】2 (ページ14)

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Aside

コンコン

怒鳴って部屋を飛び出したあと、戻ることも出来ずビデオを見ていたが、しばらくして過去の脚本にも目を通していると部屋にノックの音が響いた。
……誰だろう。
まさか至さん……？今彼に合わせる顔がない。

「…小林さん？ちょっといいですか？」

佐久間くんの声が扉の奥からする。
がやがやと他のみんなが喋る声がするから、他のみんなもいるようだ。

「至さんならここにはいないっすよ」

「Aに話があるネ」

皆木くんとシトロンさんが続くように声をかける。
至さんが居ないと聞いて少しだけほっとした。
それでも扉を開ける気にはなれなくて、扉の前で立ち尽くす。

「アンタがこのままだと監督が困る」

「おい、真澄！」

不機嫌そうな声で碓氷くんが声をあげる。
皆木くんはそれを制するように声を上げるが、碓氷くんの言葉に本当にその通りだと思った。
皆の役に立ちたいなんて言って結局何も出来てないのに、迷惑をかけてしまっている。

扉を開けて、皆を見る。
至さんを除いた春組の皆が扉の前に立っていた。

「小林さん！」

「迷惑をかけてしまってすみません」

「え…？」

私が出てきたことに安心した様子を見せた皆だったが、私が謝ると表情を曇らせる。

「至さんには明日ちゃんと謝ります」

「小林さん、そうじゃなくて」

「だから、今は少し放っておいて貰えませんか」