【A3!】幽霊擬きの居候【茅ヶ崎至】2 (ページ11)

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茅ヶ崎至 side

咲也達に任せる、とは言ってもAちゃんの言った言葉がずっと離れなかった。

"残された私は、どうなるんですか……！！！"

"まだ、話せないのに"

劇団をやめるというのは自分でもよく考えて出した答えのつもりだ
…まだ、悩んでいるからこそ保留ではあるんだけど
劇団をやめるかどうかも、Aちゃんの事も、悩みは尽きない。

「イタル、いってらっしゃい」

玄関で亀吉に声をかけられる。

「亀吉、俺の名前覚えたのか」

「イタル、オタク。あんまりゲームするなヨ」

「うるさいな」

鳥にしては生意気だが、AちゃんのLINEのアイコンになっていたり憎めないやつだ。

『待ってよ、お父さん！』

「……は？」

真澄の突然の行動に思わず声が出る。
普段の真澄なら絶対にありえない行動、セリフだ。
そもそもお父さんってなんだ

『お母さんと離婚するなんてウソだろ？』

「なんの真似だよ、真澄」

今度は母に離婚。一体なんの話だ。

『お母さん、泣いてたぜ？
親父だって、本当は信じてるんだろ？』

『待ってて、俺お母さんを呼んでくるから！』

「綴と咲也まで……」

エチュードだと言うのは何となく分かるが、一体どういう設定だ。しかも突然。

『お母さん、お父さんが行っちゃうよ！
ほら、引き留めないと！』

「え、まさか母親役って……」

咲也がお母さんと呼ばれる人物を呼ぶ。
まさかとは思いつつAちゃんかと期待する。

『ぐすん、ぐすん……ワタシも、スロット回すネ。
ケーバで三連単当てるヨ…』

「まさかのシトロンか……！」

まさかとは思いつつ少しだけ期待していのもあって、シトロンの母親役に驚く。
シトロンはぷるぷる震えながら泣く振りをしている。