はじめまして青雉の娘です。 (ページ14)

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Aは、今にも泣きそうな弱々しい声でそう言った。

A「そっか、お父さん私との約束破ったんだ、」

シャンクス「約束？」

A「うん。あの戦いが始まった時にした、私の傍から離れないって言う約束」

シャンクス「そうか……………」

A「赤髪さん、ありがとう。ちゃんと話してくれて」

シャンクス「ありがとうって嬢ちゃん、嬢ちゃんは、それでいいのか？」

A「良いも悪いも、お父さんがそう決めたんでしょ？それに、もう海の上だし」

シャンクス「嬢ちゃん！だが」

A「ごめんなさい！！！今は1人にしてください。」

シャンクスの言葉を大きな声で遮り、ドアを開ける。ドアの前で盗み聞きしていた船員に気づかない。Aの行先は甲板だ。

ベック「お頭、」

シャンクス「今は1人になりたいんだと」

ルウ「そりゃあそうだ、起きたら海の上なんてな」

ホンゴウ「まだ10歳だと、」

シャンクス「………………………」

ライム「どうした？お頭」

シャンクス「嬢ちゃん、泣かなかったんだよ。いや、泣きそうな声だったが、泣かなかった。」

ホンゴウ「嘘だろ、お頭」

シャンクス「こんな時に、冗談だと思うか？」

ベック「おい、なんの音だ」

ルウ「なんか聞こえるか？」

ライム「笛の音だ」

ホンゴウ「この音、前に1度だけ聞いたことがある、確か、横笛だったか？ワノ国の楽器だぞ」

シャンクス「ワノ国の？」

ホンゴウ「あァ、なんで嬢ちゃんが演奏できる？」

シャンクス「さあな」

A「あれ？皆さんどうしたんですか？集まって」

いつの間にか演奏を終えたAがゆっくり歩きながら近づいてくる。

シャンクス「いや、キレイな音だと思ってな」

A「え！聞いてたんですか？……恥ずかしい///」

ベック「あァ、バッチリな」

A「ふふ、いじわるですね。」

ヤソップ「嬢ちゃん」

A「なんですか？」

ヤソップ「…………………いや、なんでもねぇんだ」

A「？そうですか。あ！その嬢ちゃんって呼び方じゃなくて、Aってよんでくれません？」

ヤソップ「あァ、それはもちろんだが」

A「みなさんもですよ！」

シャンクス「だぁははははははは」

A「なんで笑うんですか？」

シャンクス「悪い悪い、なら、Aも俺達のこと名前で読んでもらわなきゃな」

A「いいんですか？」

シャンクス「船長命令だ」

A「職権乱用ってやつですか？」

ベック「いつもだ」