シャイ10. ページ10
休み時間。
体育が終わった男子たちがどんどん教室に入ってきて。
特に何もすることがない私は机に伏せる。
すると突然肩をとんとんっと叩かれて。
顔を上げて振り返れば何やら嬉しそうな大毅。
「これ…ほんまにありがとうっ…！」
そんな声が聞こえたと同時に目の前に差し出される私の体操服。
ほんまに着たんや…と思うとどこか嬉しくなる自分がいた。
すると近くにいた神ちゃんもこちらに来て。
どこか嬉しそうに私と大毅を交互に見た。
「しげほんまに大変やったんやで。
みんなにめっちゃからかわれてさ。」
『えっ…ほんまに？』
神ちゃんの言葉にどこか嬉しくなりつつも
大毅が嫌な思いをしてないかと慌てて大毅の方を見る。
しかし大毅はどこか嬉しそうな表情をしていて。
ほっとする反面…私も嬉しくなってしまう。
「そしたらしげさ…めっちゃ顔赤くして……」
「だぁああ！それは言わんといてや！」
嬉しそうに話す神ちゃんを慌てて止める大毅。
そんな大毅は相変わらず必死すぎて思わず笑いそうになる。
大毅に貸した体操服をくんくんっと匂えば
何やら甘くていい匂いが鼻を掠めて。
『大毅ってめっちゃいい匂いするよな』
「へっ…？」
思わずそう呟けば驚いたような顔を見せる大毅。
そんな大毅は「そうなんかな…？」と言って自分の服の匂いを嗅いだ。
すると神ちゃんも大毅の服をくんくんっと匂い始めて。
何かに気づいた神ちゃんは納得したような表情をした。
「これ柔軟剤やで。
しげのところ結構高いやつ使ってるから。」
そう言った神ちゃんはまた大毅の服を匂って。
「ほんまにいい匂いやな」と改めてそう言った。
そういえば…二年前。
私が大毅に体操服貸してもらったときもいい匂いしたような。
『私…この匂いめっちゃ好きかも』
「えっ…！」
そう呟けば分かりやすく反応する大毅。
自分の体操服に大毅の柔軟剤が付くと思うと嬉しくなった。
「なぁ…神ちゃん！
今…Aが俺のこと好きって…！」
「いやいや…それ匂いのことやから」
嬉しそうに話す大毅と呆れた様子で大毅を見る神ちゃん。
そんな二人を後目に私はもう一度自分の体操服を匂ってみる。
『ふふっ…いい匂い』
改めて大毅に体操服を貸して良かったな…と思った。
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りってぃ(プロフ) - ゆうさん» ありがとうございます、すごく嬉しいです(:_;) (2019年9月4日 18時) (
レス) id: 7cdc997d36 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - りってぃさん» はい！見てみます！ (2019年9月3日 14時) (レス) id: b179e7f64c (このIDを非表示/違反報告)
りってぃ(プロフ) - ゆうさん» ゆうさん、コメントありがとうございます(:_;)38話は個人的にも思い入れの話だったのでそう言ってくれるのすごく嬉しいです…！！読者様にこんなに感動していただけて私も嬉しいです…、もし良ければ他の作品もちらっと見て行ってください(..)*** (2019年9月1日 19時) (レス) id: 7cdc997d36 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - 初めまして！最初から読ませていただきました！続編が切なく胸がキューってなりました笑それに38個目で泣いてしまいました…こんなに感動するなんて思ってなかったので自分でもびっくりです！！ (2019年8月22日 2時) (レス) id: b179e7f64c (このIDを非表示/違反報告)
りってぃ(プロフ) - 風勝健葉聡さん» 初めまして。コメントありがとうございます('ω')初めから読んでいただけたなんて…本当に嬉しいです、ありがとうございます。コラボ企画の方も見てくださるなんてやる気が出ます。これから更新頑張りますね。コラボ作品の方でもよろしくお願いします。 (2018年8月3日 16時) (レス) id: b7b6eb2e08 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りってぃ
| 作成日時：2018年5月4日 15時
