シャイ36. ページ36
私を抱きしめたままの大毅は
物凄く抱きしめる力が弱くて今にも解けそうなぐらい。
どのぐらい苦しい思いをしたんやろ…と思うと同時に
とりあえず大毅を寝かせないとと思う自分がいた。
大毅をそのまま引きずって家の中に入る。
私と肩を組む大毅は歩けるのがやっとというほど…ふらふら。
そのままリビングに入りテレビの前にあるソファにそっと大毅を寝かす。
苦しそうに肩で息をする大毅は…物凄く熱があるんやなと再確認した。
「A…なんでっ……」
うっすらと目を開けて小さな声でそう呟いた大毅。
そんな大毅は頭があまり回らないのかそれ以上は何も言わなかった。
私は流星から貰った紙袋を開けて。
そんな紙袋の中からは冷えピタや水やら薬やら。
もう一つの大きな紙袋には
玉ねぎやらほうれん草やらキウイやらいちごが入っていた。
この食材って…熱によく効くって有名なやつやんな。
そう思っていると紙袋からメモのようなものが落ちてきて。
慌てて手に取ってみるとそこには"仲直りしろよ"と書かれてあった。
送り主は書かれていなかったが字だけで分かる…流星や。
『流星はほんまに最高の幼馴染やわっ……』
小さい声でそう呟いた私はそのまま食材を持ってキッチンへと向かった。
.
あれから三十分ほどかけて作ったお粥。
流星から貰った玉ねぎとほうれん草を入れて
冷蔵庫に入ってあった肉団子も入れて少し贅沢になってしまった。
『大毅…お粥食べれる？』
大毅に近づいてなるべく小さい声でそう呟く私。
そんな大毅はうっすらと目を開けてそっと体を起こした。
「Aっ……」
私の裾を掴んで小さい声でそう言う大毅。
そんな大毅は不安なのか…反省しているのか。
大毅にそんな思いをさせていると思うと悲しくなった。
そんな私は少しだけ笑顔を作って
スプーンにすくったお粥にふーふーっと息を吹きかけて大毅の口元に近づけた。
何度も私の顔をちらちらっと確認してぱくっとお粥を食べた大毅。
そんな大毅は相変わらず私の裾を掴んでいて…不覚にも可愛いと思ってしまった。
遠慮気味の大毅に無理しているんじゃないかと思い、
「まだ食べれる…？」とか「水飲む…？」とか無駄に話しかけてしまう。
「Aが…優しい」
どこか驚いたように嬉しそうにそう言った大毅に少しだけどきっとしてしまった。
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りってぃ(プロフ) - ゆうさん» ありがとうございます、すごく嬉しいです(:_;) (2019年9月4日 18時) (
レス) id: 7cdc997d36 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - りってぃさん» はい！見てみます！ (2019年9月3日 14時) (レス) id: b179e7f64c (このIDを非表示/違反報告)
りってぃ(プロフ) - ゆうさん» ゆうさん、コメントありがとうございます(:_;)38話は個人的にも思い入れの話だったのでそう言ってくれるのすごく嬉しいです…！！読者様にこんなに感動していただけて私も嬉しいです…、もし良ければ他の作品もちらっと見て行ってください(..)*** (2019年9月1日 19時) (レス) id: 7cdc997d36 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - 初めまして！最初から読ませていただきました！続編が切なく胸がキューってなりました笑それに38個目で泣いてしまいました…こんなに感動するなんて思ってなかったので自分でもびっくりです！！ (2019年8月22日 2時) (レス) id: b179e7f64c (このIDを非表示/違反報告)
りってぃ(プロフ) - 風勝健葉聡さん» 初めまして。コメントありがとうございます('ω')初めから読んでいただけたなんて…本当に嬉しいです、ありがとうございます。コラボ企画の方も見てくださるなんてやる気が出ます。これから更新頑張りますね。コラボ作品の方でもよろしくお願いします。 (2018年8月3日 16時) (レス) id: b7b6eb2e08 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りってぃ
| 作成日時：2018年5月4日 15時
