シャイ14. ページ14
放課後。
大毅と二人並んで帰り道を歩く。
お互い話さないせいか物凄く気まずい。
結局あの後…大毅は結衣ちゃんと昼食を食べることになって。
大毅は結衣ちゃんの押しに負けたのか行ってしまった。
彼女がいる前で大毅を誘う結衣ちゃんに腹が立つし
何より結衣ちゃんの誘いを断らずに一緒に食べた大毅に腹が立つ。
そんな私の顔色を伺うように何回もちらちらとこちらを見る大毅。
そんな大毅になぜかもやもやする自分がいて。
『大毅…さっきから何でちらちら見るん？』
「え…いやっ……」
俯きながらそう言えば明らかに動揺している大毅の声が聞こえて。
なぜかもやもやしている自分に無性に腹が立った。
「A…怒ってる？」
『…怒ってへん』
私の顔色を伺うようにそう聞いてきた大毅に即答で返事をする。
すると「そっか」という悲しい声が聞こえてきて。
こんな冷たい対応してたら大毅に嫌われてまうやんか。
結衣ちゃんは私と違って笑顔を絶やせへん子やのに。
何もかも結衣と比べてしまう自分が嫌になる。
「あのさ…さっきはっ……」
「あぁ！二人とも探したんやで！」
何かを言いかけた大毅の言葉を遮るようにそんな声が聞こえて。
ゆっくりと振り返れば…こちらに手を振る流星。
あからさまに嫌な顔をする大毅と目が合って。
そんな大毅はお構いなしに流星は私たちに割り込んできた。
.
流星が増えただけで一気に場が和んで。
もやもやしていた私にはちょうど良かったんかもしれへん。
「何でいっつも来るん…」
「あれ…A元気ないやん」
小さく呟いた大毅の言葉をスルーし
「何かあった？」と私に心配してくれる流星。
そんな流星に少しだけ泣きそうになる。
『ふふっ…何もないわ』
「何かあったら…しげより先に相談してな」
私がそう言えば優しくそう言ってくれる流星。
そんな流星の言葉に「はぁ？」とあからさまに反応する大毅がいて。
確かに…大毅には相談できひんこともあるもんなぁ。
「俺が…Aの彼氏やから！
流星なんかに渡すつもりないからな！」
そう言った大毅に「その意気やったら大丈夫や」と言った流星。
なぜか大毅に背中を押された気分になって。
恋敵がいても強い心、逞しい背中を持つ大毅に。
どこか安心してどきどきする自分がいた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1621人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
りってぃ(プロフ) - ゆうさん» ありがとうございます、すごく嬉しいです(:_;) (2019年9月4日 18時) (
レス) id: 7cdc997d36 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - りってぃさん» はい！見てみます！ (2019年9月3日 14時) (レス) id: b179e7f64c (このIDを非表示/違反報告)
りってぃ(プロフ) - ゆうさん» ゆうさん、コメントありがとうございます(:_;)38話は個人的にも思い入れの話だったのでそう言ってくれるのすごく嬉しいです…！！読者様にこんなに感動していただけて私も嬉しいです…、もし良ければ他の作品もちらっと見て行ってください(..)*** (2019年9月1日 19時) (レス) id: 7cdc997d36 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - 初めまして！最初から読ませていただきました！続編が切なく胸がキューってなりました笑それに38個目で泣いてしまいました…こんなに感動するなんて思ってなかったので自分でもびっくりです！！ (2019年8月22日 2時) (レス) id: b179e7f64c (このIDを非表示/違反報告)
りってぃ(プロフ) - 風勝健葉聡さん» 初めまして。コメントありがとうございます('ω')初めから読んでいただけたなんて…本当に嬉しいです、ありがとうございます。コラボ企画の方も見てくださるなんてやる気が出ます。これから更新頑張りますね。コラボ作品の方でもよろしくお願いします。 (2018年8月3日 16時) (レス) id: b7b6eb2e08 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：りってぃ
| 作成日時：2018年5月4日 15時
