生意気35. ページ35
しばらく流れる沈黙。
そんな沈黙にどこか気まずい自分がいた。
ちらっと智くんの方を見れば
どこか困ったような顔で頭を掻いていて。
私の告白…聞こえへんかったんかな。
色んなことが頭の中を駆け巡る。
「まさか…Aから告白されるとは思ってへんかったなぁ」
そう言ってどこか気まずそうに笑う智くん。
そんな智くんの表情は何を表しているのか私にはさっぱり分からなかった。
もしかしたら智くんは"好き"だけじゃどうしていいんか分からんのかも。
これからどうしてほしいんかちゃんと言わなあかんよな。
『あの…智くんが良かったら付き合ってほしいなって…』
少し小さい声でそう言えばまた困った顔をする智くん。
そんな智くんはどこか気まずそうに下を向いた。
「気持ちは嬉しいねんけど…」
そう言った智くんは申し訳なさそうに「ごめん」と付け足した。
その瞬間…私の頭の中は真っ白になって。
今まで智くんは私に必要以上に優しくしてくれて。
きっと智くんが転入してきて私が一番に話しかけたはずやのに。
勝手に…"両思いや"とか"智くんも私と同じ気持ち"と思ってた自分が馬鹿やった。
「好きな人…おるから。
Aの気持ちは受け止められへん。」
そう言った智くんはまた下を向いて。
「ごめんな」と小さく呟いた。
『好きな人って…誰なん？』
「…前に学校一緒やった子」
そう言った智くんに私はその子に勝ち目はない…と思い知らされた。
やって…そう言った智くんの目は恋をしていた目やったから。
「俺の中でAは一番仲良い友達やってんけどな」
そう言った智くんはまた気まずそうに下を向いて。
"一番仲良い友達"…言われて嬉しいはずやのに素直に喜ばれへん。
それと同時に何だかもやもやして腹が立ってきて。
勝ち目のない自分に物凄く腹が立った。
そんな私は智くんのネクタイを無理矢理引っ張って。
智くんの唇に自分の唇を思い切り重ねた。
でもそれは一瞬で智くんに突き放されて。
とんっと軽く押す程度に突き放されてしまった。
どうせなら思い切り突き放してほしかった…なんてわがままや。
そんな智くんはそのまま空き教室を出て行って。
一人取り残された私はどたっとその場にしゃがみ込んだ。
私のファーストキスは初恋と失恋と…全ての感情が詰まっていたものやった。
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りってぃ(プロフ) - 紬さん» コメントありがとうございます(;_:)この神ちゃんめっちゃいい味出してますよね…実は私も1.2を争うレベルでお気に入りのキャラクターです(^^)ありがとうございます、良ければ他の作品も見ていってください…！ (2019年5月15日 19時) (
レス) id: b7b6eb2e08 (このIDを非表示/違反報告)
紬(プロフ) - 神ちゃんがいいキャラしてますなあ… 完結おめでとうございます！！めっちゃ良かったです！！ (2019年5月13日 22時) (レス) id: 29a6e26902 (このIDを非表示/違反報告)
りってぃ(プロフ) - やさきみさん» こんにちは。コメントありがとうございます('ω')生意気な重岡さん、結構好評だったみたいで良かったです。そう言っていただけて嬉しいです。私自身、こんな恋愛してみたいなと思いながら書いていました。新作も気合を入れて頑張ります。 (2018年5月17日 16時) (レス) id: b7b6eb2e08 (このIDを非表示/違反報告)
りってぃ(プロフ) - しおりんごさん» こんにちは。コメントありがとうございます('ω')本当にいつもコメントしてくださってありがとうございます。励みになってます。少し時間が掛かるかもしれませんが、出せるように頑張りますね。これからもよろしくお願いいたします。 (2018年5月17日 16時) (レス) id: b7b6eb2e08 (このIDを非表示/違反報告)
りってぃ(プロフ) - あゅさん» 初めまして。コメントありがとうございます('ω')大好きだなんて...そう言っていただけて本当に嬉しいです。少し時間が掛かるかもしれませんが、続編か番外編かでも出せるように頑張りますね。これからもよろしくお願いいたします。 (2018年5月17日 16時) (レス) id: b7b6eb2e08 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りってぃ
| 作成日時：2018年4月5日 11時
