生意気34. ページ34
放課後。
あれから私は智くんに手紙を渡して。
昨日書いておいた"放課後、空き教室に来てください"という手紙。
勇気を出して渡せば笑顔で受け取ってくれた智くん。
そんな智くんにまた胸が高鳴った。
教室で鏡を見て何度も確認する。
リップを塗り直したり何度も髪を整えたり。
この間…智くんに貰った白いヘアピンもつけて。
何度も確認して「よし！」と呟く。
「…何してるん」
それと同時に後ろから聞こえた声。
慌てて振り返れば不思議そうにこちらを見る重岡くん。
これは…告白することを言った方がいいのか。
でも言ったら間違いなく馬鹿にされるよな。
『いや…ちょっと色々あって……』
そう言って教室を出ようとすれば
後ろからぱしっと腕を掴まれて。
振り返れば真剣な表情の重岡くんが。
「…どこ行くん」
そう言った重岡くんは初めて見るぐらい真剣な表情で。
そんな重岡くんの表情を見たら告白のことを言わざるを得ない。
『離してやっ…』
「あかん…言うまで離さへん」
そんな重岡くんの腕の力は強くなるばかり。
逃げられない私は言うしかなくなったみたいや。
『智くんに告白…するからっ…』
「えっ……」
勇気を出してそう言えば
どんどん重岡くんの腕の力が弱まってきて。
なぜか私の掴まれていた腕はあっという間に解放された。
「あ、あっそ…」
そう言った重岡くんはつまらなさそうに自分の席に座って。
興味なかったらわざわざ聞かんかったらええのに。
そう思うと同時に空き教室で智くんを待たせてることを思い出して。
私は慌てて教室を出た。
.
そっと空き教室のドアを開ければ
すでに智くんは待っててくれて。
窓からの風に少しだけ揺れる智くんの髪。
相変わらず優しい表情。
そんな智くんにまた胸が高鳴った。
「わざわざこんなとこで…どうしたん？」
早速笑顔で用件を聞いてくるから心の準備を整える暇もない様子。
ちらっと智くんの顔を見れば優しく微笑んでくれて。
私は窓からの暖かい風をすぅっと吸い込んだ。
今の私なら思いを伝えられる…そう言い聞かせながら。
『私…智くんのことが好き』
目を瞑って何とか声を出した私。
ゆっくりと目を開ければ周りが輝いて見えた。
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りってぃ(プロフ) - 紬さん» コメントありがとうございます(;_:)この神ちゃんめっちゃいい味出してますよね…実は私も1.2を争うレベルでお気に入りのキャラクターです(^^)ありがとうございます、良ければ他の作品も見ていってください…！ (2019年5月15日 19時) (
レス) id: b7b6eb2e08 (このIDを非表示/違反報告)
紬(プロフ) - 神ちゃんがいいキャラしてますなあ… 完結おめでとうございます！！めっちゃ良かったです！！ (2019年5月13日 22時) (レス) id: 29a6e26902 (このIDを非表示/違反報告)
りってぃ(プロフ) - やさきみさん» こんにちは。コメントありがとうございます('ω')生意気な重岡さん、結構好評だったみたいで良かったです。そう言っていただけて嬉しいです。私自身、こんな恋愛してみたいなと思いながら書いていました。新作も気合を入れて頑張ります。 (2018年5月17日 16時) (レス) id: b7b6eb2e08 (このIDを非表示/違反報告)
りってぃ(プロフ) - しおりんごさん» こんにちは。コメントありがとうございます('ω')本当にいつもコメントしてくださってありがとうございます。励みになってます。少し時間が掛かるかもしれませんが、出せるように頑張りますね。これからもよろしくお願いいたします。 (2018年5月17日 16時) (レス) id: b7b6eb2e08 (このIDを非表示/違反報告)
りってぃ(プロフ) - あゅさん» 初めまして。コメントありがとうございます('ω')大好きだなんて...そう言っていただけて本当に嬉しいです。少し時間が掛かるかもしれませんが、続編か番外編かでも出せるように頑張りますね。これからもよろしくお願いいたします。 (2018年5月17日 16時) (レス) id: b7b6eb2e08 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りってぃ
| 作成日時：2018年4月5日 11時
