生意気19. ページ19
あれから荷物を置いた私たちは
先生の指導のため…登山をすることになった。
一列に並んでゆっくりと登り始める。
「うわああ!」
その声と同時に派手に転ぶ玲奈ちゃん。
玲奈ちゃんはすぐ疲れるし、よく転ぶし大変や。
「あーあ…こんな派手に転んで」
そう言いながら玲奈ちゃんに近づく…智くん。
そんな智くんは玲奈ちゃんの目線に合わせてしゃがみ込んだ。
「ほら、立てるか?」
そう言って玲奈ちゃんに手を差し伸べる智くん。
玲奈ちゃんはそんな智くんの手に掴まって立ち上がった。
「危ないから俺の腕掴まっとき?」
そう言って玲奈ちゃんに腕を差し出す智くんに
玲奈ちゃんは素直に智くんの腕を掴んだ。
胸がずきずきして苦しい。
色んな感情が私の頭を駆け巡る。
やっぱり…私は智くんのことが好きなんかな。
私を無視してどんどん歩いて行く二人を見てそう思った。
.
あれからしばらく登り続けて。
もう少ししたら頂上…というところまで近づいてきた。
相変わらず智くんの腕に掴まっている玲奈ちゃん。
私の目の前で楽しそうに笑う二人。
そんな二人を見るのがとてつもなく苦しかった。
そんな二人に気を取られていたせいか。
目の前にある段差を見ていなかった。
そして私はそのまま段差につまずいて。
そのまま派手にどさっと転んでしまった。
『いった…』
声に出してしまうほど痛かった。
足首を捻ったのか足がじんじんと痛む。
心配そうに見つめてくる玲奈ちゃんと智くんが余計私を苦しめて。
早くこの場から逃げたい…どこかに隠れてしまいたい。
「はぁ…面倒くさいやつやな」
後ろからそんな声が聞こえて。
振り返ればこちらを見ていた重岡くん。
そんな重岡くんは私と同じ目線にしゃがみ込んだ。
「そんなんで歩かれへんやろ。
ほら…乗れ。」
そう言って私に背中を見せる重岡くん。
私は素直に重岡くんの背中に乗った。
それと同時にふっと体が浮いて。
重岡くんにおんぶされてる…と思うと胸が温かくなった。
「こいつ、治療室連れて行かなあかんから先行っといて。」
二人にそう言った重岡くんは今まで来た道を戻り始めて。
色んな人とすれ違う度に注目されて少しだけ恥ずかしくなったけど。
重岡くんの背中は誰よりも頼もしく見えた。
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りってぃ(プロフ) - 紬さん» コメントありがとうございます(;_:)この神ちゃんめっちゃいい味出してますよね…実は私も1.2を争うレベルでお気に入りのキャラクターです(^^)ありがとうございます、良ければ他の作品も見ていってください…! (2019年5月15日 19時) (レス) id: b7b6eb2e08 (このIDを非表示/違反報告)
紬(プロフ) - 神ちゃんがいいキャラしてますなあ… 完結おめでとうございます!!めっちゃ良かったです!! (2019年5月13日 22時) (レス) id: 29a6e26902 (このIDを非表示/違反報告)
りってぃ(プロフ) - やさきみさん» こんにちは。コメントありがとうございます('ω')生意気な重岡さん、結構好評だったみたいで良かったです。そう言っていただけて嬉しいです。私自身、こんな恋愛してみたいなと思いながら書いていました。新作も気合を入れて頑張ります。 (2018年5月17日 16時) (レス) id: b7b6eb2e08 (このIDを非表示/違反報告)
りってぃ(プロフ) - しおりんごさん» こんにちは。コメントありがとうございます('ω')本当にいつもコメントしてくださってありがとうございます。励みになってます。少し時間が掛かるかもしれませんが、出せるように頑張りますね。これからもよろしくお願いいたします。 (2018年5月17日 16時) (レス) id: b7b6eb2e08 (このIDを非表示/違反報告)
りってぃ(プロフ) - あゅさん» 初めまして。コメントありがとうございます('ω')大好きだなんて...そう言っていただけて本当に嬉しいです。少し時間が掛かるかもしれませんが、続編か番外編かでも出せるように頑張りますね。これからもよろしくお願いいたします。 (2018年5月17日 16時) (レス) id: b7b6eb2e08 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りってぃ | 作成日時:2018年4月5日 11時