生 意 気 ≪ Daiki.S ≫

生意気16. ページ16

あれから一週間。







『はぁ…もう最悪やわ』


「まだこの間のこと引きずってるん？」



私の言葉に軽く返事をしてくれる玲奈ちゃん。







今は玲奈ちゃんとキャンプに必要な物を購入中。

まさか玲奈ちゃんと一緒にまともな買い物をするなんて。




私と玲奈ちゃんがする買い物といえば

アニメショップか絵画ショップしか考えられへんもん。







「Aがずっと引きずってるって珍しいな」


『いやいや！みんなの前であんなことされたら引きずるわ！』



玲奈ちゃんの言葉に軽くツッコミを入れる私。








あれから私は…ずっとこの間のことを引きずってる。

この間のことというのはキャンプでの班決め。





≪ じゃあ…俺が入るわ ≫


≪ 俺がこいつと組みたかっただけやから ≫



そんな重岡くんの言葉が今でも頭から離れへん。

あれからクラスの女子からは睨まれてばっかりやし。




重岡くんはこうなることを想定してわざわざ言ってきたんかな。

考えれば考えるほど嫌な気持ちになってしまう。







「でも…別にそれはそれで良かったんちゃう。

Aは重岡くんに何もされてないわけやし。」



『それはそうやけどさ！

クラスの女子の目が怖すぎるもん！』



玲奈ちゃんの言葉に軽く反論してみる。






私みたいな大人しいグループが

クラスで人気の重岡くんと智くんと組む方がおかしいもんな。



今まで大人しく学校生活送ってたつもりやったのに。







「まぁ、でも決まってもうたことなんやから。

せっかくの機会やねんから精一杯楽しもうや。」



そう言った玲奈ちゃんの言葉に素直に頷いた。

ここで落ち込んだところで何も変わらへんもんな。







『よし…じゃあ何から買う？』


「とりあえず、虫除けスプレーは買っとかな！」



『虫除けスプレーぐらい家にあるやろ』


「あるわけないやん。

私なんかアニオタやで。インドア派に虫除けスプレー必要ないやん。」



そんな玲奈ちゃんのインドア発言に思わず吹き出してしまう。

周りから見たら相当女子力低いんやろな。







『とりあえず、日焼け止めは買っとかなあかんな。』


「えええ…そんな女子力高いのいらんやろ。」



玲奈ちゃんの女子力の低さには驚いたけど。









こうやって二人で買い物するのも悪くないな…なんて。









どこかキャンプが楽しみになっている自分がいた。

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