狼くん40. ページ40
翌日。
無事に小瀧の告白に返事ができた。
そのおかげか心も体もすっきりした気分。
でも…小瀧と気まずくなったらどうしようという不安が募る。
私が振ったせいで小瀧と話さなくなったら。
「A、おっはよー!」
『小瀧、朝から重いねんけど…!』
「ええやんええやん!
Aの背中がちょうどええの!」
そんな心配はいらないようで。
めっちゃいつも通りやし、いつも以上にべたべたしてくる気が。
何より普通に接してくれて嬉しい…という気持ちが強かった。
そんな小瀧はほんまにすごいやつや…と改めて実感した。
.
お昼休み。
屋上で小瀧と菜奈と三人で昼食。
なぜ小瀧がいるのか謎だが気にせず食べる。
「はぁ…」
「何やねん…小瀧がため息とか珍しいな」
ため息をつく小瀧にそう言った菜奈。
「俺の好きな焼きそばパンが売り切れやってん。
やから仕方なくメロンパン買ってんけどさぁ。」
そう言った小瀧はメロンパンを一口食べた。
「そういえば、メロンパンって今週で販売停止になるんやろ」
思い出したかのようにそう言った菜奈。
へぇ、そうなんや…って……え!
待って待って…メロンパンって藤井くんが好きなはず。
≪ 何でか知らんけど…毎日メロンパン買ってくれる男の子がおるんよ。
その子が嬉しそうに買ってくれるから販売停止にしづらくて。 ≫
そんな購買のおばちゃんの言葉を思い出した。
販売停止なんて…藤井くんが知ったらきっと悲しい思いをするはず。
「てゆうか…あれって藤井ちゃうん?」
小瀧が指差す方向を確認する。
そこには裏庭に一人で座ってメロンパンを食べている藤井くん。
「藤井くんっていつも裏庭で食べてるよな」
そんな菜奈の言葉に軽く反応してしまう。
いつも裏庭で一人で食べてたんか。
「あいつ…いつも一人やし、一人が好きなんちゃう?」
そう言って興味なさそうに体勢を戻した小瀧。
≪ 俺も相原さんみたいにみんなと仲良くしたいっ…。 ≫
あのときの藤井くんの言葉を思い出した。
あれはきっと藤井くんの本音なんや。
私は勢いよくその場に立ち上がった。
『小瀧!私…小瀧の約束通り幸せになってみせるから!』
そう言った私は屋上を出た。
後ろから「頑張れよ!」という小瀧の声が聞こえていた。
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りってぃ(プロフ) - 有香さん» ありがとうございます。頑張ります。 (2018年5月24日 16時) (レス) id: b7b6eb2e08 (このIDを非表示/違反報告)
有香(プロフ) - はい! (2018年5月22日 16時) (レス) id: 44f2d4f6ef (このIDを非表示/違反報告)
りってぃ(プロフ) - 有香さん» ありがとうございます。読者様のペースについていけるように頑張ります。なるべく早く書きたいなぁ…と思いながら頑張りますね。 (2018年5月22日 16時) (レス) id: b7b6eb2e08 (このIDを非表示/違反報告)
有香(プロフ) - 良かったです!りってぃさんのペースで(●'д')bファイトです! (2018年5月21日 18時) (レス) id: 44f2d4f6ef (このIDを非表示/違反報告)
りってぃ(プロフ) - 有香さん» あわわ…そう言ってくださって本当に嬉しいです。私自身も続編作りたいなぁ…と思っていたのですが、もう一つの作品の続編を作ることになって。そちらの作品も大好きですが狼くんの方も書きたかったのでそう言ってくださる人がいて嬉しいです。頑張りますね。 (2018年5月21日 17時) (レス) id: b7b6eb2e08 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りってぃ | 作成日時:2018年2月17日 11時