狼くん39. ページ39
あれから四日。
一か月にも及んだ会話禁止は見事に解放。
今日から藤井くんとも小瀧とも会話が出来るようになった。
それと同時に小瀧に告白の返事をしなければいけない。
そう…しみじみと痛感させられる。
すると突然後ろから肩をぽんっとされて。
振り返れば…まさかの藤井くん。
「相原さん…おはよ」
『藤井くん…お、おはよ』
私がそう言うとどこか納得した様子で嬉しそうに席に座る藤井くん。
あれ…何でそんなに普通に接してくるんや。
まさか…藤井くん。
そう思った瞬間、一瞬で確信へと変わった。
どうやら藤井くんはこの間のことを何も覚えていないっぽい。
私が隣にいたことも覚えていない…そう思うと無性に悲しくなった。
.
放課後。
誰もいない教室でぼーっとする。
あれから私は小瀧のことを呼び出して。
告白の返事をしようと…しばらく教室で待っている。
するとがらっと教室のドアが開いて。
少し汗ばんだ姿の小瀧が入ってきた。
「はぁ…ごめん。
部活長引いてもうてさ。」
そう言いながら私の目の前に立った小瀧。
そんな小瀧の目は"早く返事を教えろ"と言っているようだった。
『返事…待たせてごめんな。
あのさ…やっぱり小瀧とは付き合われへん。
真剣に考えたけど、小瀧のことは好きになられへん。』
そう言いながら小瀧の方を見ると、
どんどん小瀧の目が潤んできて。
えっ……待って。
小瀧泣くの我慢してるんちゃうん。
「やっぱり…藤井のことが好きなんか？」
『今の私には分からんけど…多分そうなんやと思う。』
そう言うとまた目を潤わせる小瀧。
あかん…小瀧の目から涙が流れそうや。
そんな小瀧を見てられなくて…思わず下を向く。
するといきなり正面から強く強く抱きしめられて。
『えっ…あの……』
「俺の方が先に好きやったのに…！
俺なんか入学式からずっと好きやのに…！」
それと同時に私の首筋に落ちた小瀧の涙。
「藤井と幸せにならな許さんからなっ…！」
そう言った小瀧はほんまに優しいやつや。
私は素直に「うん」と頷いた。
"これからは友達として仲良くしよな"そう言おうとした言葉は飲み込んだ。
きっとそれは小瀧にとっては余計な言葉やから。
私は黙ってそっと小瀧の頭を撫でた。
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りってぃ(プロフ) - 有香さん» ありがとうございます。頑張ります。 (2018年5月24日 16時) (
レス) id: b7b6eb2e08 (このIDを非表示/違反報告)
有香(プロフ) - はい！ (2018年5月22日 16時) (レス) id: 44f2d4f6ef (このIDを非表示/違反報告)
りってぃ(プロフ) - 有香さん» ありがとうございます。読者様のペースについていけるように頑張ります。なるべく早く書きたいなぁ…と思いながら頑張りますね。 (2018年5月22日 16時) (レス) id: b7b6eb2e08 (このIDを非表示/違反報告)
有香(プロフ) - 良かったです！りってぃさんのペースで(●'д')bﾌｧｲﾄです！ (2018年5月21日 18時) (レス) id: 44f2d4f6ef (このIDを非表示/違反報告)
りってぃ(プロフ) - 有香さん» あわわ…そう言ってくださって本当に嬉しいです。私自身も続編作りたいなぁ…と思っていたのですが、もう一つの作品の続編を作ることになって。そちらの作品も大好きですが狼くんの方も書きたかったのでそう言ってくださる人がいて嬉しいです。頑張りますね。 (2018年5月21日 17時) (レス) id: b7b6eb2e08 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りってぃ
| 作成日時：2018年2月17日 11時
