狼くん29. ページ29
休み時間。
そっと菜奈の席の元へ駆けつける。
なるべく違和感のないように菜奈の前の席に座った。
「何や…また藤井くんか？」
そんな菜奈にはお見通しのようで。
冷ややかな目で私を見つめる菜奈。
『あのさ…藤井くんの好きな食べ物って分かる？』
周りに聞こえたらまずいため、出来るだけ小声で話す。
そんな私の言葉に分かりやすくため息をついた菜奈。
「この前、お昼休みに購買のパン買ってるところ見たで。
そのときは…メロンパン買ってたような気がすんねんけど。」
『分かった！ありがとう…！』
そう言った私は財布を手に取り、勢いよく教室を飛び出した。
全ては藤井くんの喜ぶ顔が見たいために。
藤井くんと少しでも関わりを持ちたいがために。
.
急いで購買まで行くと、
お昼休みではないからかまだたくさんあるパン。
『おばちゃん！メロンパン一つください…！』
そう言うとおばちゃんはメロンパンを持ってきてくれて。
そんなおばちゃんの笑顔になぜか癒されてしまった。
指定されたお金を払ってメロンパンをもらう。
初めての購買に少しだけ胸が高鳴った。
「でもメロンパン買うなんて珍しいなぁ」
『へっ…？』
そんなおばちゃんの言葉に思わず変な声が出てしまった。
「だってほら…焼きそばパンとかクリームパンとかが人気やから。
メロンパンはいつも売れ残ってまうねん。」
『そうなんですか』
そう言うとどこか優しく微笑んだおばちゃん。
「メロンパンもそろそろ販売停止しようと思うねんけど。
何でか知らんけど…毎日メロンパン買ってくれる男の子がおるんよ。
その子が嬉しそうに買ってくれるから販売停止にしづらくて。」
そんなおばちゃんの言葉に藤井くんの顔が浮かんで。
なぜか胸がじゅわっと熱くなった。
『その男の子ってどんな感じですか！』
「金髪で…ピアス開けてて。
最初は怖いんかなって思ってたけど。
中身はすごく優しくてええ子やで。」
その言葉に藤井くんや…と確信がついた。
そのまま私は教室まで走り出して。
そんな私の頭の中は藤井くんでいっぱいだった。
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りってぃ(プロフ) - 有香さん» ありがとうございます。頑張ります。 (2018年5月24日 16時) (
レス) id: b7b6eb2e08 (このIDを非表示/違反報告)
有香(プロフ) - はい！ (2018年5月22日 16時) (レス) id: 44f2d4f6ef (このIDを非表示/違反報告)
りってぃ(プロフ) - 有香さん» ありがとうございます。読者様のペースについていけるように頑張ります。なるべく早く書きたいなぁ…と思いながら頑張りますね。 (2018年5月22日 16時) (レス) id: b7b6eb2e08 (このIDを非表示/違反報告)
有香(プロフ) - 良かったです！りってぃさんのペースで(●'д')bﾌｧｲﾄです！ (2018年5月21日 18時) (レス) id: 44f2d4f6ef (このIDを非表示/違反報告)
りってぃ(プロフ) - 有香さん» あわわ…そう言ってくださって本当に嬉しいです。私自身も続編作りたいなぁ…と思っていたのですが、もう一つの作品の続編を作ることになって。そちらの作品も大好きですが狼くんの方も書きたかったのでそう言ってくださる人がいて嬉しいです。頑張りますね。 (2018年5月21日 17時) (レス) id: b7b6eb2e08 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りってぃ
| 作成日時：2018年2月17日 11時
