狼くん26. ページ26
しばらくするとがたんと音を立てて。
藤井くんが教室を出た…と音で確認した。
ゆっくりと目を開けると
綺麗になった机…さっきのクリップ留めの山は持って行ってくれたのか。
藤井くんの鞄もなくなっていることに気づいた。
目の前に置かれた…レモンティー。
もしかしてこれを買うためにわざわざ。
≪ Aってほんまにレモンティー好きやんな ≫
≪ そうやねん…なんか落ち着くというか味が好きやねん ≫
そんなことを菜奈と話した休み時間。
藤井くんが後ろに座っていたことは知ってたけど。
聞いてくれてたとか…それに覚えててくれたなんて。
あのとき、
藤井くんが教室から出て行って寂しい…と思った自分を殴りたくなった。
私のレモンティーを買いに行ってくれてたなんて。
買いに行くんやったら一言教えてくれたら良かったのに…馬鹿。
目の前のレモンティーに心が温かくなった。
『…いただきます』
丁寧に蓋を開けて喉にレモンティーを流し込んだ。
そんなレモンティーはいつも以上に特別な味がした。
.
翌日。
ぼーっとした頭で教室に入ると
真っ先に机に突っ伏せてる藤井くんが目に入ってきて。
教室に入るや否や
藤井くんが来てるかどうか確認する私は馬鹿やと思う。
自分でもなぜこんなに気になっているのか分からんし。
ゆっくりと自分の席に腰掛けて。
この間のように後ろを向きたいけど向けなかった。
そういえば…私たちは会話禁止されてるんやった。
それにいきなり挨拶とかしてもびっくりするやろうし。
一か月間、会話禁止されてるけど。
現にまだ一週間も経っていないことに驚いた。
レモンティーのお礼も言われへんとか…最悪やん。
藤井くんはわざわざ買ってくれたのに。
それと同時に
あのときの唇に感じた温かい感触を思い出した。
あれは…キスやんな。
今すぐにでも「なぜキスしたか」と聞きたいけど。
私は寝てた設定やし、会話禁止されてるし。
藤井くんとのキスは
小瀧としたキスより優しくて温かいキスやったと思う。
藤井くんにはたくさん聞きたいことがあったけど。
意気地なしの私は挨拶をすることすら出来なかった。
私の胸はもやもやするばかりだった。
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りってぃ(プロフ) - 有香さん» ありがとうございます。頑張ります。 (2018年5月24日 16時) (
レス) id: b7b6eb2e08 (このIDを非表示/違反報告)
有香(プロフ) - はい！ (2018年5月22日 16時) (レス) id: 44f2d4f6ef (このIDを非表示/違反報告)
りってぃ(プロフ) - 有香さん» ありがとうございます。読者様のペースについていけるように頑張ります。なるべく早く書きたいなぁ…と思いながら頑張りますね。 (2018年5月22日 16時) (レス) id: b7b6eb2e08 (このIDを非表示/違反報告)
有香(プロフ) - 良かったです！りってぃさんのペースで(●'д')bﾌｧｲﾄです！ (2018年5月21日 18時) (レス) id: 44f2d4f6ef (このIDを非表示/違反報告)
りってぃ(プロフ) - 有香さん» あわわ…そう言ってくださって本当に嬉しいです。私自身も続編作りたいなぁ…と思っていたのですが、もう一つの作品の続編を作ることになって。そちらの作品も大好きですが狼くんの方も書きたかったのでそう言ってくださる人がいて嬉しいです。頑張りますね。 (2018年5月21日 17時) (レス) id: b7b6eb2e08 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りってぃ
| 作成日時：2018年2月17日 11時
