狼くん22. ページ22
「ほんっまにごめん!!」
そう言って私の隣で両手を合わせる小瀧。
あれから私は藤井くんを庇って。
なぜか私が小瀧に思い切り殴られてしまった。
その後のことは痛すぎてあまり覚えていない。
そして今は保健室で先生に手当てをしてもらっていて。
そんな私の隣で申し訳なさそうにする小瀧。
「もう…どうやったらこんなことになるねん!」
保健室の先生は私の傷を手当てをしながら呆れている様子。
そんな私の口元は少し青く痣になった傷。
うああ…痛そうやし実際に痛い。
それからしばらくして絆創膏が貼られて。
手には氷をタオルで包んだものを渡された。
「しばらくの間は氷当てて安静にしときや。
小瀧は殴った張本人なんやから面倒見たり。」
そう言った保健室の先生は自分のデスクへと戻っていってしまった。
「…痛くない?大丈夫か?」
隣から聞こえてきた小瀧の心配そうな声。
『んん…ちょっと痛い』
「あああ…ほんまにごめん」
『小瀧は何も悪くないって』
申し訳なさそうにする小瀧の肩を軽く叩いた。
すると顔を上げた小瀧と軽く目が合って。
少しだけ微笑むと小瀧はまたどこか申し訳なさそうな顔をした。
.
あれから私たちは保健室を出て。
気晴らしのために屋上へと向かった。
秋になったせいか
頬を当てる風は少しだけ冷たかった。
『そういえば…藤井くんは?』
「ああ…指導室で先生に怒られてる」
そんな小瀧の声を聞いて
この二人は相当なことをしたんや…と改めて思い知らされた。
「もう少ししたら…俺も怒られに行かなあかんわ」
『怒られるの分かってて教室戻るとか地獄やん』
「ほんまに…先生の説教めっちゃ長いからさ」
『ふふっ…大変やなぁ』
気づけば二人で笑い合ってて。
なぜか小瀧とは前よりももっと距離が近くなった気がする。
すると突然、小瀧が私の頬を優しく触ってきて。
殴られたところを親指で優しく撫でてきた。
「俺ほんまだっさいよな。
あんなこと言われただけで怒ってさ。
終いにはAの顔殴るとか…ありえへんわ。」
『でも…小瀧らしくていいんちゃう?』
そう言って優しく微笑めば、
小瀧もどこか優しく微笑み返してくれて。
それと同時にゆっくりと小瀧の顔が近づいてきて。
気づいたときには…唇が重なっていた。
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りってぃ(プロフ) - 有香さん» ありがとうございます。頑張ります。 (2018年5月24日 16時) (レス) id: b7b6eb2e08 (このIDを非表示/違反報告)
有香(プロフ) - はい! (2018年5月22日 16時) (レス) id: 44f2d4f6ef (このIDを非表示/違反報告)
りってぃ(プロフ) - 有香さん» ありがとうございます。読者様のペースについていけるように頑張ります。なるべく早く書きたいなぁ…と思いながら頑張りますね。 (2018年5月22日 16時) (レス) id: b7b6eb2e08 (このIDを非表示/違反報告)
有香(プロフ) - 良かったです!りってぃさんのペースで(●'д')bファイトです! (2018年5月21日 18時) (レス) id: 44f2d4f6ef (このIDを非表示/違反報告)
りってぃ(プロフ) - 有香さん» あわわ…そう言ってくださって本当に嬉しいです。私自身も続編作りたいなぁ…と思っていたのですが、もう一つの作品の続編を作ることになって。そちらの作品も大好きですが狼くんの方も書きたかったのでそう言ってくださる人がいて嬉しいです。頑張りますね。 (2018年5月21日 17時) (レス) id: b7b6eb2e08 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りってぃ | 作成日時:2018年2月17日 11時