狼くん20. ページ20
あれから一週間。
あまり変わらない学校生活。
変わったことといえば…少しだけある。
「相原さん、おはよ」
『藤井くん、おはよう』
私と藤井くんが毎朝必ず挨拶するようになったこと。
突然藤井くんが挨拶してきたからっていうこともあったけど。
最近はもう日課になってきつつある。
「A、やっぴ！」
『小瀧…朝からうるさい』
そう言っていつものように後ろから抱きついてくる小瀧。
「あれ？…Aシャンプー変えた？」
『ああ…ちょっと高いやつ買ってもうてん。』
私がそう言うと、
なぜか私の髪を触ってくんくんと匂う小瀧。
そう…あれから何かと小瀧が密着してくるようになった。
昔よりこの間よりやたらと距離を縮めてくる。
まるで誰かに見せつけるように。
そして最後にもう一つだけ。
私の学校生活で変わったことがある。
「A…今度の日曜さ……」
「相原さん、一限目って何やったっけ？」
小瀧の言葉を遮るようにそう言った藤井くん。
小瀧と話していると、
必ず藤井くんが間に入って喋ってくること。
わざとなのかたまたまなのか。
『えっと…数学やと思うで』
「ありがとう。
ほんま助かるわ。」
私がそう言うと軽くお礼を言った藤井くん。
そして…このあとの小瀧の機嫌が悪くなるのもお約束。
ちらりと小瀧の顔を見れば少し怒っているのが分かった。
この一週間で変わったことといえばこれぐらいで。
私の頭はあまり追いついていけていなかった。
.
休み時間。
数学の授業が終わったころ。
突然後ろからとんとんと肩を叩かれて。
振り返れば、
いつものと言わんばかりに青いノートを私に差し出した藤井くん。
今も相変わらず藤井くんのノートを書いている私。
もはや…日課になったのかもしれない。
「今日もよろしくな」
『…はいはい』
そう言って藤井くんからノートを受け取ろうとしたが、
誰かに手を掴まれて受け取れなかった。
ふと顔を上げると目の前にはどこか真剣な表情をした小瀧で。
そんな小瀧は私の目の前にピンクのノートを差し出した。
「A…俺のノートも書いてや」
そう言って私にピンクのノートを差し出し続ける小瀧。
目の前に差し出された青色とピンクの二つのノート。
私の頭は爆発寸前だった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2188人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
りってぃ(プロフ) - 有香さん» ありがとうございます。頑張ります。 (2018年5月24日 16時) (
レス) id: b7b6eb2e08 (このIDを非表示/違反報告)
有香(プロフ) - はい！ (2018年5月22日 16時) (レス) id: 44f2d4f6ef (このIDを非表示/違反報告)
りってぃ(プロフ) - 有香さん» ありがとうございます。読者様のペースについていけるように頑張ります。なるべく早く書きたいなぁ…と思いながら頑張りますね。 (2018年5月22日 16時) (レス) id: b7b6eb2e08 (このIDを非表示/違反報告)
有香(プロフ) - 良かったです！りってぃさんのペースで(●'д')bﾌｧｲﾄです！ (2018年5月21日 18時) (レス) id: 44f2d4f6ef (このIDを非表示/違反報告)
りってぃ(プロフ) - 有香さん» あわわ…そう言ってくださって本当に嬉しいです。私自身も続編作りたいなぁ…と思っていたのですが、もう一つの作品の続編を作ることになって。そちらの作品も大好きですが狼くんの方も書きたかったのでそう言ってくださる人がいて嬉しいです。頑張りますね。 (2018年5月21日 17時) (レス) id: b7b6eb2e08 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：りってぃ
| 作成日時：2018年2月17日 11時
