狼くん16. ページ16
あれから一週間。
この一週間で藤井くんと話すことが多くなった。
それと同時に…小瀧のうざ絡みも増えた気がする。
「A…結局試合見にきてくれへんかったよな」
『何回その話すんねん』
休み時間、私の前の席に座る小瀧。
菜奈は用事があるから…と隣のクラスへ行ってしまった。
「ちょっとぐらい見にきてくれてもええやん…」
『見に行く気力もなかったわ』
そう言うとむすっとした小瀧。
…ちょっと言いすぎたかな。
「はぁ…見にきてくれたら
Aの大好きなクレープ奢ってあげたのになぁ。」
どこかにやにやしながらそう言った小瀧。
待って待って…そんなん聞いてへんし。
小瀧のサッカーは見たくないけど、
クレープはどうしても食べたい。
『次の試合っていつなん?』
「一か月後かなぁ。
でも…Aは俺の試合見にくるの嫌やもんなぁ。」
わざと嫌味っぽく言った小瀧。
めちゃくちゃ悔しいけど…これもクレープの為や。
「小瀧の試合すごく見たいです。
やから…クレープ奢ってください。」
苦し紛れにそう言うと満足そうに微笑んだ小瀧。
『優しい優しい小瀧様が奢ったるわ』
そんな小瀧は「見にきてくれたらな」と一言つけ足した。
私はただただクレープが食べたい一心だった。
.
本日二度目の休み時間。
チャイムが鳴るや否や私の目の前に座る小瀧。
そんな小瀧は無視してノートを書く。
「何書いてるん?」
『藤井くんのノート』
「……はぁ?
まだ藤井のノートとか書いてたん?」
どこか呆れ気味の小瀧。
そんな小瀧を軽く無視してノートを書く。
すると後ろから肩にとんっと手を置かれて。
振り返ると…そこには藤井くん。
「相原さん…書けたら教えてな」
『あ…分かった』
そんな藤井くんは小瀧のことを睨むように見つめていて。
小瀧も藤井くんのことを睨んでいた。
…私の目の前で散る見えない火花に思わず固まってしまった。
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りってぃ(プロフ) - 有香さん» ありがとうございます。頑張ります。 (2018年5月24日 16時) (レス) id: b7b6eb2e08 (このIDを非表示/違反報告)
有香(プロフ) - はい! (2018年5月22日 16時) (レス) id: 44f2d4f6ef (このIDを非表示/違反報告)
りってぃ(プロフ) - 有香さん» ありがとうございます。読者様のペースについていけるように頑張ります。なるべく早く書きたいなぁ…と思いながら頑張りますね。 (2018年5月22日 16時) (レス) id: b7b6eb2e08 (このIDを非表示/違反報告)
有香(プロフ) - 良かったです!りってぃさんのペースで(●'д')bファイトです! (2018年5月21日 18時) (レス) id: 44f2d4f6ef (このIDを非表示/違反報告)
りってぃ(プロフ) - 有香さん» あわわ…そう言ってくださって本当に嬉しいです。私自身も続編作りたいなぁ…と思っていたのですが、もう一つの作品の続編を作ることになって。そちらの作品も大好きですが狼くんの方も書きたかったのでそう言ってくださる人がいて嬉しいです。頑張りますね。 (2018年5月21日 17時) (レス) id: b7b6eb2e08 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りってぃ | 作成日時:2018年2月17日 11時