狼くん02. ページ2
一限目の授業が始まる。
まだ少しだけ教室が騒がしい。
後ろの席が藤井くんになったのは…先週のこと。
席替えで運が悪い私はみんなが嫌う藤井くんの前の席になってしまった。
最初の方は嫌やったけど…今となれば慣れたもんや。
それに…藤井くんは机に突っ伏して寝てることが大体やし。
無駄に喋らんし、目も合わせへんから楽。
「よし、今からプリント配るで」
そんな先生の声にプリントが前から後ろへと運ばれていく。
いやいや…これ藤井くんにも回さなあかんやつちゃうん。
授業中はなるべく後ろ見たくないのに。
前から回ってきたプリント。
なるべく平然を装って後ろを向いた。
案の定、藤井くんは机に突っ伏して寝ていて。
そのまま静かにプリントを置いとくのもあれやから起こしてみる。
『ふ、藤井くん…』
なるべく小さい声で名前を呼ぶと、
ゆっくりと顔を上げてくれた藤井くん。
少しだけ目が合って心の中でびくっとしてしまう。
『プリント…』
「あぁ…ありがと」
納得したようにプリントを受け取った藤井くん。
そんな私は慌てて前を向く。
ふぅ…怖かった。
目合ったときはほんまに人生終わったかと思ったわ。
そんなことを思いながら板書をする。
板書にうるさい先生やから嫌やねんなぁ。
すらすらと黒板に字を書く先生。
その後を追いかけるように私もノートに書く。
「藤井！いい加減に板書せんと…居残りさせるで！」
そんな先生の声に視線が一気に藤井くんへと集中する。
藤井くんは伏せていた顔をゆっくりと上げて。
「……はい」
かしこまったような、どこかだるそうな返事をした。
そして再び黒板に字を書く先生。
体勢を戻して板書をするクラスメイト。
私も板書しよう…とシャーペンを手に取ったとき。
後ろから肩をとんとんと叩かれた。
え…なになになに、怖い怖い。
そう思いながらもゆっくりと振り返る。
すると目の前に差し出された青色のノート。
「…俺のノート書いて」
そう言って私にノートを差し出す藤井くん。
…大変なことになったかもしれません。
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りってぃ(プロフ) - 有香さん» ありがとうございます。頑張ります。 (2018年5月24日 16時) (
レス) id: b7b6eb2e08 (このIDを非表示/違反報告)
有香(プロフ) - はい！ (2018年5月22日 16時) (レス) id: 44f2d4f6ef (このIDを非表示/違反報告)
りってぃ(プロフ) - 有香さん» ありがとうございます。読者様のペースについていけるように頑張ります。なるべく早く書きたいなぁ…と思いながら頑張りますね。 (2018年5月22日 16時) (レス) id: b7b6eb2e08 (このIDを非表示/違反報告)
有香(プロフ) - 良かったです！りってぃさんのペースで(●'д')bﾌｧｲﾄです！ (2018年5月21日 18時) (レス) id: 44f2d4f6ef (このIDを非表示/違反報告)
りってぃ(プロフ) - 有香さん» あわわ…そう言ってくださって本当に嬉しいです。私自身も続編作りたいなぁ…と思っていたのですが、もう一つの作品の続編を作ることになって。そちらの作品も大好きですが狼くんの方も書きたかったのでそう言ってくださる人がいて嬉しいです。頑張りますね。 (2018年5月21日 17時) (レス) id: b7b6eb2e08 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りってぃ
| 作成日時：2018年2月17日 11時
