狼くん01. ページ1
高校一年生の秋。
季節の変わり目。
半袖なのか長袖なのか服装がよく分からない季節。
教室に入って窓際の後ろから二番目の席に着けば、
後ろから伸しかかる重み。
「A、やっぴ！」
『小瀧は朝から元気すぎんねん…』
「俺は元気が取り柄やから！」
でかい体を私の背中に預けて、
終いにはでかい声を出して私の耳を壊しにかかってくる。
そんな彼は…同じクラスの小瀧望。
入学式の日、お互いに遅刻したせいか無駄に仲が良くなってしまった。
毎朝、元気な声で挨拶してくるのも
後ろから抱きつくように体を預けるのも毎日のことやから慣れたもんや。
「おはよ…うわ、小瀧おるやん」
そう言いながら私の前の席に腰掛けた唯一の親友の…菜奈。
最近はよくこの三人でいることが多い。
「何でそんな嫌そうな顔してんねん！」
「…ほんまに嫌やねんけど」
そんな菜奈の言葉にむすっとする小瀧。
菜奈と小瀧の掛け合いもいつものこと。
『小瀧…友達おらんからしゃーないやろ』
「…確かにそうやな」
「ちょ…！友達ぐらいおるから！
最近俺の扱い…めっちゃ酷いで！」
そして最後は私が小瀧のことを茶化すのも日課。
そんな茶番を毎日のように行う。
三人でぎゃーぎゃー言っていると、
がらっと教室のドアが開いて。
クラスメイトは一斉にドアの方に目線が集中した。
中に入ってきたのは学校で"怖い"と有名の…藤井流星こと藤井くん。
金髪で思い切り校則違反やし、両耳についているピアスも目立つ。
でも…唯一の救いが顔やと思う。
透き通るような目、しっかりとした目鼻立ち。
イケメンやし、告白したい子やって何人もおるやろう。
しかし誰も近づかないし、話しかけない。
ヤンキーっていう噂もあるし…何より怖いのが一番やと思う。
「おい、藤井に挨拶してこいよ」
「嫌やって…怖いもん」
そんなクラスメイトの声が聞こえる。
藤井くんも…絶対聞こえてる。
藤井くんは私の後ろの席に腰掛けた。
そんな彼は一匹狼。
私は心のどこかで"狼くん"と呼んでいた。
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りってぃ(プロフ) - 有香さん» ありがとうございます。頑張ります。 (2018年5月24日 16時) (
レス) id: b7b6eb2e08 (このIDを非表示/違反報告)
有香(プロフ) - はい！ (2018年5月22日 16時) (レス) id: 44f2d4f6ef (このIDを非表示/違反報告)
りってぃ(プロフ) - 有香さん» ありがとうございます。読者様のペースについていけるように頑張ります。なるべく早く書きたいなぁ…と思いながら頑張りますね。 (2018年5月22日 16時) (レス) id: b7b6eb2e08 (このIDを非表示/違反報告)
有香(プロフ) - 良かったです！りってぃさんのペースで(●'д')bﾌｧｲﾄです！ (2018年5月21日 18時) (レス) id: 44f2d4f6ef (このIDを非表示/違反報告)
りってぃ(プロフ) - 有香さん» あわわ…そう言ってくださって本当に嬉しいです。私自身も続編作りたいなぁ…と思っていたのですが、もう一つの作品の続編を作ることになって。そちらの作品も大好きですが狼くんの方も書きたかったのでそう言ってくださる人がいて嬉しいです。頑張りますね。 (2018年5月21日 17時) (レス) id: b7b6eb2e08 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りってぃ
| 作成日時：2018年2月17日 11時
