極 悪 ヤ ン キ ー ３ ≪ Daiki.S ≫

極悪144. ページ47

あれから一週間。



重岡は無事に桐山さんに勝利した。

あんなに怖かった桐山さんをあっという間にやっつけるなんてやっぱり重岡はこの町のナンバーワンなのかもしれない。









「しげさん…お久しぶりです……ってなんでお前が！！！」


「この間は助けていただきありがとうございました！！」



「えっ…しかもこの服って重岡組の…！！」


「へへっ…奇跡みたいな話なんですけど重岡さんの組に入れてもらえることになって……」



重岡組のアジトにやってきた小瀧はいるはずのない濱田さんの姿を見て驚いていて。

そんな濱田さんの言葉を聞いた小瀧は"な、なんでこんなやつが！！"とどこか不満そうだった。









あれから重岡は無事に退院した。

まだ怪我が完治していなかったというのに桐山組に乗り込むなんて…やっぱり重岡は無茶なやつだ。



そして濱田さんもあと少しで退院予定だったがこの間の怪我でもう一度入院。

あの病院にはお世話になりまくっているが今日は少しだけ外出許可が出たため重岡がここに連れてきたのだ。









「重岡組ってめちゃめちゃ居心地いいところっすよね、アジトもめちゃめちゃ綺麗で家みたい」


「お前が重岡組を語るな！！！」



そんな濱田さんの言葉に小瀧は相変わらず不服そうだったがそこまで嫌がっているようには見えなかった。

それはきっと重岡が認めた人だから、重岡が迎え入れた人だからだ。









≪ ……俺らには関係ないことや ≫


≪ お前のことやねんから一人でどうにかしろ ≫



濱田さんが桐山組に狙われていたと知ったときはあんなに冷たい対応をしていたくせに。

結局必死になって助けるんだから重岡はよく分からない人間だ。



それに小瀧もあっかんべーってしてたくせに結局助けにいってるし。

ヤンキーの世界はまだまだ知らないことばかりだ。









「うわっ…重岡組のアジト久しぶりやわ……」


『あ、梨々花…！』



差し入れを手に持って倉庫の中に入ってきたのは梨々花で。

そんな梨々花がここに来るのは…私を助けようとしてくれたとき以来だった。









「あれから全く桐山さんの姿見てへん気がする」


『そりゃああんな恥ずかしい負け方したら外も歩かれへんで』



「え？どんな負け方やったん？」


『まぁ…1つだけ言うとしたら…重岡がかっこよかったってことかな』









梨々花の言葉にしみじみとそう言えば隣にいた梨々花はにやにやしながら"ふーん"と言っていた。

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