極 悪 ヤ ン キ ー ３ ≪ Daiki.S ≫

極悪142. ページ45

頭を蹴られた濱田さんはさらに顔も蹴られて。

"げほっ…げほ……"と咳込む濱田さんに桐山さんは余裕そうに笑っていた。









「お前に用はない、そいつを返せ」


「あぁ？いきなり乗り込んできたと思ったらそんなしょうもない理由か？」



重岡の言葉にそう言った桐山さんは目の前の濱田さんの髪を思いっきり掴んでいた。









「こんなやつのために組が違うお前が助けにくんのか？」


「濱田良かったなぁ？お前なんかを助けにきてくれる馬鹿がおって」



そのまま思いっきり濱田さんの髪を引っ張る桐山さんに濱田さんは"ぐっ…"と声を漏らしていて。

さらに濱田さんの背中を蹴飛ばした桐山さんは悪魔のように笑っていた。









「こいつが悪いねん！！俺の許可なしで勝手に桐山組抜けるとか言いやがって！！」


「ただでさえ使い物にならへんのに組抜けるとか舐めたことしやがって！おまけに俺に何の挨拶もせずに逃げ回るからさぁ！！」



そう声を荒げた桐山さんは相当怒っている様子で。

何度も背中を蹴られる濱田さんに胸が痛くなった。









「やからそんなことしたらどうなるか教えてあげようと思ってさぁ」


「こいつは桐山組から抜けられへん運命やねん、やからお前はとっとと帰れや…！！！」



そう声を荒げた桐山さんは悪魔そのものだった。

怖い、私を連れ去ったときと同じ目をしている。



この人は…自分の思い通りにならないと気が済まない。

ナンバーワンも仲間も全部自分のものにならないと気が済まないんだ。









「……言いたいことはそれだけか？」



黙って桐山さんの話を聞いていた重岡が突然そんなことを言い出して。

一歩ずつ桐山さんの元へ近づいた重岡は目の前にいた2人のヤンキーを勢いよくぶっ飛ばしていた。





あっという間に吹き飛ばされた2人のヤンキーはピクリとも動かなくなってしまって。

そのまま桐山さんに近づく重岡に桐山さんは慌ててポケットからナイフを取り出していた。









「それ以上近づいたらこいつのこと刺すからな」



私のときと全く同じ方法だ。

目の前に向けられた鋭いナイフに濱田さんは相当びびっている様子だった。





しかし重岡は容赦なく桐山さんの手に持っていたナイフを奪い取って。

そのまま遠くにナイフを投げた重岡に桐山さんは驚いていた。









「……俺と1対1で勝負しろ」









そう言って真っすぐ桐山さんの目を見た重岡に波乱の予感がした。

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