極 悪 ヤ ン キ ー ３ ≪ Daiki.S ≫

極悪139. ページ42

あれからしばらくして2台のバイクが私たちの元へやってきて。

バイクから降りたヤンキーたちは重岡と小瀧に重岡組の服を手渡していた。









「大事な仲間なんですよね？」


「あぁ、やから今から助けにいく」



そう言ったヤンキーに重岡は迷わずそう言って。

いつものヤンキーの服を着てバイクに乗り込む重岡に思わず胸が高鳴ってしまった。









「しげさん、俺の服まだ置いてくれてたんですね」



そう言って重岡組の服を着る小瀧はあっという間にヤンキーになって。

久しぶりに見る小瀧のヤンキー姿に感動してしまう自分がいた。




小瀧はヤンキーをやめたけど重岡組をやめたわけではないのかもしれない。

この先何があってもずっと重岡の仲間なんだと私はそう思った。









『…私も行っていい？』


「お前が来ても邪魔なだけや、ここにいろ」



そう言ってその場に立ち上がれば相変わらず重岡の冷たい言葉が返ってきて。

"やっぱりあかんか…"そう思っているともう1台のバイクに乗り込んだ小瀧に"吉村ちゃん！"と言われた。









「俺の後ろ空いてるから乗ってええよ！」


『え！！やった！！』



ヘルメットをつけながらこちらに手招きをする小瀧の元へ慌てて駆けつけて。

そのまま小瀧の後ろに乗り込もうとしたとき"おい"という重岡の声が聞こえてきた。





不思議に思って重岡の方を見つめれば重岡はパンッと自分のバイクの後ろを叩いていて。

何度も後ろの席を叩く重岡に少し不思議に思う自分がいた。









「……お前はこっちに乗れ」



そう言った重岡にやっと重岡の行動の意味が分かって。

"重岡の後ろに乗ってもいいんや…"と思った私は駆け足で重岡のバイクの後ろに乗り込んだ。









「飛ばすからしっかり掴まっとけ」



そう言った重岡に私は慌てて重岡の背中を掴んで。

落ちないように心掛けているとそのまま重岡は私の腕をグイッと引っ張ってきた。









「お前そんなところ掴んで落ちたいんか？」



勢いよく引っ張られた私の腕は重岡のお腹に回って。

重岡と触れた手が冷たくて心臓がドキドキするのが自分でもよく分かった。





こ、こんなんハグやん。

ち、近い…こんなに重岡に触れたのは久しぶりだ。









「…俺が邪魔する隙もないぐらいラブラブやな」









そう言って優しく微笑んでいた小瀧がいるとも知らず私は勢いよく発車するバイクから落ちないようにするのに必死だった。

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