極 悪 ヤ ン キ ー ３ ≪ Daiki.S ≫

極悪133. ページ36

≪ お前…もうここには来なくていい ≫



そんな重岡の冷たい言葉が頭の中でぐるぐると回った。

それはやがてもやもやした気持ちへ変わり、最終的には悲しい気持ちへと変わった。



……なんで。









≪ お前もしばらくここには来なくていいから ≫



小瀧が重岡組をやめるときだってそうだった。

いきなり倉庫には来るなと言われて、理由も聞かされなくて。









『……なんでそんなこと言うん』


「別に…特に理由はない」



理由もないのに私を追い払う必要ある？

……よっぽど私のことが嫌いなのか。









『……じゃあもう重岡には会われへんってこと？』


『なぁ、せめて理由ぐらい教えてよ』



納得がいかない、いきなり突き放されて。

意味が分からない、結構仲良くなれたと思っていたのにいきなり冷たくされて。



そう言っても重岡はしばらく黙り込んだままだった。









「……お前は小瀧の方がいい」


『…は？』



もう諦めて帰ろうとしたそのとき重岡がいきなりそんなことを口に出した。

小瀧？は？いきなりどういうこと？









「俺とおるより小瀧とおる方がいい」


「あいつはああ見えてお前に一途やし一生懸命やし喧嘩強いし、悪いところ1つもない」



そう言ってぼーっと窓の外を見つめる重岡に私は開いた口が塞がらなくて。

な、何を言ってるんだこいつ。









「それにもうあいつはヤンキーから足洗ってるし今はお前と同じ高校生や」


「やからもう俺のところには来んな、あいつのところ行け」



そう吐き捨てた重岡は私の方を一度も見ることはなかった。

一気に重岡に突き放された気がしてとても悲しくなった。







……こいつが言いたいことをまとめると私は小瀧と付き合った方がいいと。

そしてもう俺には会うなとでも言いたいのだろうか。



こいつは人を突き放すのがとても上手い。

だから余計に胸が苦しくなった。









『重岡は私と小瀧が付き合ってもいいって思ってるん？』



グイグイ近寄ってそう聞いても重岡は何も言わなくて。

痺れを切らした私はそのまま目の前の重岡のほっぺをグイッと引っ張った。




重岡に触れたのは久しぶりだった。









『……なんでそうやって簡単に突き放すん？』









そう言って真っすぐ重岡の目を見つめればこちらを見つめる重岡と目が合って。









重岡のほっぺをさらにぎゅっと強く引っ張ってやれば余計に胸が苦しくなった。

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