極 悪 ヤ ン キ ー ３ ≪ Daiki.S ≫

極悪131. ページ34

あれから私はしばらく梨々花との女子トークを楽しんで。

梨々花は小瀧の話になると盛り上がっていたがそこは気にしないことにした。









「かっこいいとか…それはもう付き合うパターンやって！」


『かっこいいって思うのは気持ちだけであって恋愛とは関係ないからおかしい方向に話進めんといてよ……』



私の言葉に"その気持ちが恋の一歩やねん！"と言ってくる梨々花は完全に私の話を聞く気がなくて。

ため息をつきながら重岡の病室に戻れば相変わらず三人はワイワイ盛り上がっていた。








あ…重岡こっち見た。

一瞬重岡と目が合ったがなぜか何事もなかったかのように冷たく目を逸らされてしまった。



な、何なん。

さっきは"こっち見んな"とか口パクしてきたくせに。





もやもやした気持ちを抑えて私と梨々花は三人の元へ向かった。









すると突然濱田さんが真面目な表情をし始めて。

"ちょっと聞いてほしいことがあります"と言った濱田さんに全員が注目していた。









「えっと…みんなに言うほどのことじゃないかもしれへんけど…これ見てほしくて」



そう言った濱田さんは私たちにスマホの画面を見せてきて。

その画面を見た瞬間私は思わず目を見開いてしまった。




こ、この間のチラシ…！！

きっと梨々花が濱田さんに教えたんだろう…そう思った。









「まぁ…俺が探されてるってだけやねんけど……」



そう言って苦笑いをする濱田さんに重岡と小瀧はじーっと画面を見つめていて。

私の隣にいた小瀧は"あぁ！それ一昨日ぐらいに拾ったわ！"と言っていた。









「……俺らには関係ないことや」


「お前のことやねんから一人でどうにかしろ」



そう言って松葉杖をつきながらその場に立ち上がった重岡に私は思わずため息が零れて。

私の隣で濱田さんに向かって"あっかんべー"とする小瀧も相変わらずだった。




二人揃って…ほんまに冷たいやつらやな。









『なぁ、仲良くしてるんやしちょっとぐらい協力してあげても……』



そう言おうとしたときちらっとこちらを見た重岡と目が合ってしまって。

じーっとこちらを見つめる重岡はなぜかドンッと勢いよく私のことを突き飛ばしてきた。




そのまま私は後ろにいた小瀧の胸にダイブしてしまって。









「………だ、大丈夫？ちょっとしげさん何してんすか！！」









そんな小瀧の言葉を無視して病室を出ていく重岡に何だか波乱の予感がした。

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