極 悪 ヤ ン キ ー ３ ≪ Daiki.S ≫

極悪128. ページ31

翌日。



学校が終わった私は門の前でぼーっと突っ立って。

しばらくすると"吉村ちゃん…！"と言いながらこちらに駆けつける小瀧の姿が見えた。









「お待たせ…！」


『そんな待ってないから大丈夫』



「いやぁ…まさか吉村ちゃんと待ち合わせするときがくるなんてな…！」


『いやいや…病院行くだけやねんから変なこと言わんといてよ』



そう、私と小瀧は今日重岡のお見舞いに行くことになったのだ。

目の前でにこにこ微笑む小瀧は相変わらず見慣れなくて変な気持ちになった。









≪ 大学に行くつもりなん？ ≫


≪ レベル高いところは無理かもしれへんけど頑張ってみようと思って ≫



≪ なんか色々衝撃やけど…応援する ≫


≪ 吉村ちゃんなら絶対そう言ってくれると思った…！！ ≫



昨日大学の参考書を見せてきた小瀧に驚きが隠せなかったが。

どうやら小瀧はヤンキーではない新しい道へ進むみたいだ。




きっとそれは小瀧が自分なりに考えて、もがいて、悩み抜いた結果なんだろう。

私の隣で"病院ってどこにあるん？"と言う小瀧は変わってしまったようで何も変わっていなかった。









「でも俺がおらん間に大怪我して病院に運ばれてるなんて……」


『大丈夫やって、今は松葉杖だけで生活できるようになってるし』



"うぅ…しげさん……"なんて言いながら私の隣を歩く小瀧は歩くだけで周りから注目を浴びていて。

それはきっと小瀧がかっこいいからなんだと思った。



小瀧がヤンキーだったときは誰も見向きもしなかったのに。









≪ えぇえええ！！！しげさんが入院したってどういうことなん！！！ ≫


≪ しげさん死んだん？もしかして…重岡組も解散？ ≫



昨日小瀧に重岡のことを伝えれば予想通りの反応をして。

あからさまにパニックになる小瀧に一つずつ事情を説明しているとあっという間に夜になってしまったというわけだ。



あまりにも小瀧が重岡のことを心配するから今日一緒にお見舞いに行くことに。

重岡組を抜けても心は重岡組にいるんだなと思うと何だかそれだけで嬉しくなった。









「あ、そういえば……」


『ん？』



そう言って突然立ち止まった小瀧に私は慌てて耳を傾けた。









「しげさんとどこまでいったん？もう付き合った？」


『はぁ？私と重岡はそういう関係じゃないし』









にこにこ笑顔でそう聞いてくる小瀧に私は慌てて否定をした。

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