極 悪 ヤ ン キ ー ３ ≪ Daiki.S ≫

極悪101. ページ4

私はプリンを買った後そそくさと病院へ向かって。

その間も私はずっと梨々花のことを考えていた。




自分でもなぜこんなに梨々花のことを考えているのか分からない。

縁を切られた上に裏切られたのに…どうしても目が離せなくなってしまう。









そんなことを思いながら病院の中に入ればあまりにも広くて重岡の病室の場所を忘れてしまって。

慌てて受付の看護師さんに聞けば地図を見せて丁寧に教えてくれた。









「重岡さんのお見舞いですか？」


『そうなんです、といってもこっちが一方的に来ただけなんですけど』



あまりにも嬉しそうにそう聞いてくる看護師さんにどこか不思議に思う自分がいて。

"そっかそっか"と嬉しそうに微笑む看護師さんになぜか違和感を覚えた。









『なんか嬉しそうですね』


「実は…重岡さん今日まで誰もお見舞いに来なかったので少し心配してたんです」



そんな看護師さんの言葉に私は"…そうなんですか"と言うことしかできなくて。

"誰もお見舞いに来ないだけでそんなに心配するものなのか？"と思ったがそこは適当に流しておくことにした。









「家の都合や用事などでご家族やご友人がお見舞いに来られない患者さんはたくさんいらっしゃいますけど、重岡さんの場合重岡さんのご家族やご友人からの連絡が全くなくて」


「ご両親に電話も繋がらへんしどこに住んでるかどうか聞いても教えてくれへんしで色々大変やったんです」



そんな看護師さんの言葉に私は驚きが隠せなくなって。

看護師さんの言った"誰もお見舞いに来ない"という言葉は"お見舞いに来る人がいない"という意味だったんだと知ったときとても胸が痛くなった。









「でもちゃんとお見舞いに来てくれる人がいたんですね」



"良かったです"と言って微笑む看護師さんに私は慌てて微笑み返して。

"医師や看護師たちには一言も話さないので…いっぱいお話してあげてください"そう言った看護師さんに私は苦笑いを浮かべた。









『もちろんです！無理矢理にでも話しかけます！』



そう言ってグーサインをすれば看護師さんもグーサインをしてくれて。

そんな看護師さんは私の手に持っているプリンの袋を見て"あ！"と指さしていた。









「そのプリンの袋この間話しかけてくれた子も持ってたなぁ、吉村さんと同い年ぐらいの子で」









"そのプリン流行ってるんかな？"そう言った看護師さんに私は真っ先に梨々花のことが頭に浮かんできた。

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