極 悪 ヤ ン キ ー ３ ≪ Daiki.S ≫

極悪116. ページ19

あれから私は梨々花に先に病院に行くよう伝えて。

急いで重岡組のアジトへ向かった。









私はただ汗をかきながら走るヤンキーについていくしかなくて。

やっと重岡組の倉庫に辿り着いた私は思わず目を見開いてしまった。









『な、何これ…エンドって……』



倉庫のシャッターに大きく書かれた"END"という文字。

スプレーか何かで書かれたその文字はすぐに消せそうになかった。




そのとき一気に冷や汗が出てくるのが分かって。

"桐山組の仕業や…"と思った私はその場で足がすくんでしまった。









「あの…エンドってどういう意味なんすか？」


『え？』



「ただの落書きやと思うんですけど…この文字の意味が分からへんくて」


『"終わり"って意味！！終わるとかそういう意味！！』



"え！じゃあただの落書きじゃないってことっすか！"そう言って慌ただしく駆け回るヤンキーはやっと事の重大さを理解したようで。

そんなヤンキーも私と同じように冷や汗をかいていた。









「でも…なんで重岡組のアジトにこんなこと……」


『桐山組の仕業やと思う』



「えぇ！！！」


『この勝負に終わりをつけるとかお前らはもう終わりやってそう意味が込められてる、少なくともいい意味ではない』



私の言葉にいちいち"えぇ？"と困惑した顔を浮かべるヤンキーとは上手く会話が嚙み合っていない気がする。

私の隣で驚くヤンキーは私とは違う意味で焦っているのかもしれない。









「でも桐山組のことはもう解決したから心配ないってしげさんが……」


『え？どういうこと？』



首を傾げながらそう言ったヤンキーに私はやっと違和感を覚えて。

やっぱりこのヤンキーは私と考えていることが違うとはっきりそう思った。









「しげさんしばらく休暇取るらしくてここのアジトにも来るなってメールで言われて…やから今は重岡組のヤンキーたちも全員休暇中なんです」


「でもしげさんが休暇するなんて初めてやし最近しげさんのこと全然見いひんから気になってここに来たらこんなことになってて……」



"しげさん、やっぱり何かあったんですか？"そう言ってこちらを見つめるヤンキーにやっと謎が解けた気がした。









重岡はヤンキーたちに桐山組とのことも入院していることも何も言っていなかった。









私はやっと"やから…重岡の仲間は誰もお見舞いに来おへんかったんか"と理解することができた。

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