極悪43. ページ43
あれから私は重岡に投げつけられたヘルメットを被って。
慌てて重岡の後ろに乗ればバイクは勢いよく走り出した。
あ、あまりにも速すぎる…！
小瀧の後ろに乗っていたときよりも三倍以上速い！！
私への当てつけなのか、いつもこんな感じのスピードなのか。
それとも自分の仲間がいなくなったからなのか。
『ちょっと！！速いって！！！』
「あ？何言ってるか全く聞こえへん」
『落ちる！！！』
「しっかり掴まっとけ」
あまりにもバイクの音がうるさくて私の声はなかなか重岡に届かなくて。
やっとそう言ってくれた重岡に私は素直に後ろから腕を回した。
……重岡にこんなに触れたのは初めてかもしれない。
重岡もやっぱり男らしい身体してるんやなぁ。
大嫌いなのに、大嫌いなはずなのに。
こんなに近くにいて、なのにまだ嫌いで。
おかしいな、私たち。
でもこれぐらいの距離感が私たちにはちょうどいいのかもしれない。
すると突然勢いよく重岡がバイクを止めて。
いきなりスピードを落とすから思わずバイクから落ちてしまいそうになった。
『心臓に悪すぎる……』
「あいつ…ほんまどこにおるねん」
『どこかにふらっと出かけたとかじゃないん？』
「あいつは俺に黙って勝手にどっか行くようなやつじゃない」
"何も知らんくせに口出しすんな"そう言った重岡は相当焦っている様子だった。
焦りと怒りが混じったような表情をしている重岡を見て思わず"やっぱりついてこなければ良かった…"と思ってしまった。
『でも…小瀧たちの方も心配やから一回戻った方が……』
「じゃあ一人で勝手に戻れ、俺が一人で探しにいくから」
『重岡！一回冷静になってゆっくり考えて探した方が効率いいって！』
「仲間が一人おらんくなってんのに冷静になんかなれるわけないやろ！！！」
重岡の叫び声を聞くのは珍しくて思わず驚いてしまった。
弱弱しいような、焦っているような、怒っているような。
何かにこんなに必死になっている重岡を見るのは初めてだった。
いつも無表情で何を考えているのか分からなくて。
そんな重岡にもちゃんと心というものがあるんだって。
≪ 俺らヤンキーやから女性との接点も少なくて、そういうのに困ってたときにしげさんがそう言ってくれたからつい…… ≫
あのとき私のことを襲わせたのも仲間のためだったのかなとそのときそう思った。
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りってぃ(プロフ) - とわさん» 主人公がついに照史くんと対面しましたよ！(';')ヤンキーを目の前にするのは私も経験がないので分かりませんが多分めっちゃ怖いと思います(T_T)それにあの桐山さんですからねぇ....(笑)いつも素敵なコメントありがとうございます！(^^) (2021年4月22日 17時) (
レス) id: ccea52b7dc (このIDを非表示/違反報告)
とわ(プロフ) - 主人公ちゃん、照史くんとぶつかっちゃった！ ヤンキーと、ぶつかった経験がないので、わからないですけど多分めっちゃ怖いですよね？嗅覚が鋭すぎな照史くん。さすが、組長！ (2021年4月19日 22時) (レス) id: fc8965d624 (このIDを非表示/違反報告)
りってぃ(プロフ) - とわさん» いつも考察していただきありがとうございます(^^)週末なので張り切って2話アップさせてもらいました！重岡くんが逃げなかったのはちょっとだけ主人公に同情していたからかも…？(';')今のところこの4人以外のメンバーを出す予定はないです(..)！ (2021年4月19日 20時) (レス) id: ccea52b7dc (このIDを非表示/違反報告)
とわ(プロフ) - シゲちゃん、のんちゃん、照史くん、濱ちゃん以外のメンバーは登場するのですか？ (2021年4月18日 23時) (レス) id: fc8965d624 (このIDを非表示/違反報告)
とわ(プロフ) - 今日も欠かさず、考察をあげさせてもらっているとわです！2話連続でアップ、めっちゃ嬉しかったです！読んでみると、桐山組が来てたーー！重岡組、頑張れ！そして、重岡くんがすぐ逃げなかったのは理由があったのでしょうか？楽しみです！ (2021年4月18日 23時) (レス) id: fc8965d624 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りってぃ
| 作成日時：2021年3月13日 20時
