極悪17. ページ17
「さっき楽しかったって言ってくれたやん」
そう言ってこちらを見つめる小瀧に私はただ俯いて。
ズンズンと近づいてくる小瀧に私は思わず後ずさりをしてしまった。
『さっきの…めっちゃ怖かったから……』
「それはほんまにごめん！でもさっきみたいに俺が助けるから！」
『違う、怖いのは小瀧の方やって…！』
「え？俺？」
私の言葉に驚いたような顔を浮かべる小瀧。
そんな小瀧はまた訳の分からないような顔をしていた。
『今日めっちゃ楽しくて…小瀧とおるとずっと笑ってて…小瀧となら友達になってもいいかもって思った』
『やけど…これから先もああいうことが起きると思うと耐えられへん』
そう言った私に小瀧は悲しそうな顔を浮かべていて。
そんな小瀧の顔を見れなくて私はただその場に俯くだけだった。
『殴ったり蹴飛ばしたり…そういうのやっぱり嫌やねん』
『やっぱり私はヤンキーとは合わへん』
楽しかった気分が一気に下がっていく。
何も言わない小瀧に少しだけ胸が苦しくなった。
『助けてくれたのはほんまにありがとう』
『小瀧が私のために助けてくれたって知ってる…でも……』
そう言った私はさっき小瀧からもらったうさぎのぬいぐるみを取り出して。
そのまま目の前の小瀧に無理矢理手渡した。
『じゃあね』
そう言い残した私は慌ててその場を去って。
もう二度と小瀧に会えないと思うと嬉しい気持ちと寂しい気持ちが混ざって変な気持ちになった。
「吉村ちゃん！！！」
「もし俺がヤンキーじゃなかったら俺と付き合ってくれたん？」
そう叫んだ小瀧に思わず足を止めてしまって。
ゆっくりと振り返れば遠くでこちらを見つめる小瀧がいた。
『そんなん知るか！！！！』
『例えヤンキーじゃなかったとしても小瀧はうるさいししつこいし馬鹿やから付き合わへんかもな！！！』
そう叫べば遠くから小瀧の笑い声が聞こえてきて。
気づけば私も大きな声で笑っていた。
『バイバイ！！馬鹿野郎！！！』
そう叫んだ私は今まで一番気持ちいい風を浴びながら走った。
小瀧のおかげで…私は少し変われた気がする。
大嫌いだったヤンキーが大嫌いから嫌いに変わった日だった。
「はぁ…やっぱり好きやわ」
私が去った後、そう言ってしゃがみ込んでいた小瀧がいたことは知る由もない。
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りってぃ(プロフ) - とわさん» 主人公がついに照史くんと対面しましたよ！(';')ヤンキーを目の前にするのは私も経験がないので分かりませんが多分めっちゃ怖いと思います(T_T)それにあの桐山さんですからねぇ....(笑)いつも素敵なコメントありがとうございます！(^^) (2021年4月22日 17時) (
レス) id: ccea52b7dc (このIDを非表示/違反報告)
とわ(プロフ) - 主人公ちゃん、照史くんとぶつかっちゃった！ ヤンキーと、ぶつかった経験がないので、わからないですけど多分めっちゃ怖いですよね？嗅覚が鋭すぎな照史くん。さすが、組長！ (2021年4月19日 22時) (レス) id: fc8965d624 (このIDを非表示/違反報告)
りってぃ(プロフ) - とわさん» いつも考察していただきありがとうございます(^^)週末なので張り切って2話アップさせてもらいました！重岡くんが逃げなかったのはちょっとだけ主人公に同情していたからかも…？(';')今のところこの4人以外のメンバーを出す予定はないです(..)！ (2021年4月19日 20時) (レス) id: ccea52b7dc (このIDを非表示/違反報告)
とわ(プロフ) - シゲちゃん、のんちゃん、照史くん、濱ちゃん以外のメンバーは登場するのですか？ (2021年4月18日 23時) (レス) id: fc8965d624 (このIDを非表示/違反報告)
とわ(プロフ) - 今日も欠かさず、考察をあげさせてもらっているとわです！2話連続でアップ、めっちゃ嬉しかったです！読んでみると、桐山組が来てたーー！重岡組、頑張れ！そして、重岡くんがすぐ逃げなかったのは理由があったのでしょうか？楽しみです！ (2021年4月18日 23時) (レス) id: fc8965d624 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りってぃ
| 作成日時：2021年3月13日 20時
