ハウス87. ページ44
目の前の望さんの顔がどんどん赤くなっていく気がして。
相当動揺している様子の望さんは分かりやすく私から目を逸らしていた。
「……タイミング考えろよ」
『ふふっ…望さんがお願いしてきたんですよ?』
「やからって…不意打ちは良くないやろ」
『望さん、耳まで真っ赤じゃないですか!!』
"そんなに嬉しかったですか?"と言って望さんの顔を覗き込めば望さんは私から背を向けてしまって。
トントンッと望さんの肩を叩き続けているとくるっとこちらを振り返った望さんと目が合ってしまった。
「うるさいねん」
『へっ…んっ……』
まだ少し顔が赤い望さんに強引に唇を重ねられてしまって。
望さんからの幸せでいっぱいのキスに私は嬉しさでどうにかなってしまいそうだった。
.
あれからあっという間に夜になって。
久しぶりの4人での夕食に何だか懐かしい気持ちになった。
「今日は俺らとAが初めて同居することになった日に食べた思い出のカレーやで!」
『うわぁ…美味しそう……』
私が初めてここに来たときに初めて食べたご飯が照史くんの手作りのカレーだった。
懐かしい匂いにあのときの出来事を思い出した。
≪ 待ってたで〜! ≫
初めて家に来た私に優しく出迎えてくれた照史くん。
≪ 俺大毅っていいます、ここに住んでるうちの一人やからよろしくな! ≫
どんなときでも元気で支えてくれた大毅くん。
≪ 俺はこんなやつと一緒に住むとか絶対許さへんからな ≫
最初は怖くて仕方がなかった望さん。
懐かしいな、あのときはまだ全員緊張してて。
私もしばらくはずっと気遣ってたなぁ。
「はい!俺言いたいことあります!!」
「ん?大毅どうした?」
「さっき望とAがリビングで思いっきりキスしてました!!」
「えぇええええええ!!!」
急にそんなことを言う大毅くんに椅子から転げ落ちる照史くん。
大毅くんのまさかの発言に私はお茶を吹き出しそうになってしまった。
「非リアの俺からしたらそういうの見たくないねん!悲しくなるから!!」
「別にそれぐらいええやろ、付き合ってるんやから」
「家の中でキス禁止にしようや!!」
「は?なんで禁止されなあかんねん」
相変わらずの望さんと大毅くんに笑みが零れた。
719人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ブラックな少女 - 始めまして、笑いあり、ドキドキありの、お話で面白かったです!個人的に流星くんがすきでした! (2022年8月7日 21時) (レス) @page49 id: 3cbd83fd77 (このIDを非表示/違反報告)
りってぃ(プロフ) - ちゃきさん» 初めまして(^^)コメント残していただき本当にありがとうございます…!そう言っていただき嬉しいです(:_;)面白かっただなんて…ありがたいお言葉ありがとうございます…!また機会があれば書こうと思っているのでそのときはぜひ見にきてくださいね(..)! (2021年10月7日 16時) (レス) id: ccea52b7dc (このIDを非表示/違反報告)
ちゃき(プロフ) - 初めまして!毎回更新されるのを楽しみにしていたので完結してしまったのが少し寂しいですが、キュンキュンできて本当に面白かったです!このシリーズはずっと読んでいられるのでまたいつか出るのを楽しみにしてます!ありがとうございました! (2021年10月4日 22時) (レス) id: 29b8e7862d (このIDを非表示/違反報告)
りってぃ(プロフ) - manaさん» わわっ!そう言っていただきとても嬉しいです!(:_;)続編希望のお言葉まで本当にありがとうございます(..)続編の件ぜひ検討させていただきますね!また書くことになったときはよろしくお願いいたします!(';')** (2021年5月3日 11時) (レス) id: ccea52b7dc (このIDを非表示/違反報告)
mana(プロフ) - とても面白かったです!もし良ければ続編希望です! (2021年5月3日 0時) (レス) id: be6f20fff2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:りってぃ | 作成日時:2021年2月21日 18時