ハウス82. ページ39
あれから私はスキップをしながらリビングへ向かって。
リビングに行けばテレビを見ながら大爆笑をしている照史くんがいた。
「A、まだ起きてたんか?」
照史くんの隣に座れば不思議そうにこちらを見つめる照史くんと目が合って。
ひたすら照史くんのことを見つめていると"怖い夢でも見たんか?"と言って背中をさすってくれた。
『照史くんにはほんまに色々迷惑かけたなぁって思って』
「急にどうしたんや」
『食費とかもそうやし神山くんにも相当気遣ってくれてたんかなって』
「気遣ってたのは神山くんも一緒や、それに食費なんかちょっとの誤差やし気にせんでいい!」
照史くんはどこまでも優しくて心が広くて。
私はそんな照史くんの優しさにずっと甘えていたんだと思った。
『照史くんのおかげで望さんと無事に和解したで』
「えぇ!ほんまに!良かったわぁ!!」
神山くんがここで住むことを快く受け入れ、尚且つ望さんとの距離感にも気を遣ってくれていた照史くん。
そんな照史くんとしばらく微笑み合っていると眠そうな顔をした流星くんが階段を下りてきた。
『あ、流星くん…!』
慌てて流星くんの元へ駆けつければ流星くんは不思議そうにリビングを見つめていた。
そういえば流星くんにも色々迷惑かけてるんだよなぁ、ピンチヒッターなんかやらせてしまって。
「あれ?まだ帰ってきてないんか」
『ん?何の話?』
「神山くん、結構前に出かけていってから全然帰ってこおへんから」
『え?神山くんどっか行ったん?』
流星くんの放つ言葉に驚きが隠せなくて。
慌てて"どこ行ったん?"と聞けば目の前の流星くんは"分からへんねん、散歩するって言ってたけど"と言っていた。
……私のせいや。
ど、どうしよう。
≪ 俺は安藤さんからの返事が聞きたっ…… ≫
あのとき神山くんは確かにそう言おうとしていた。
望さんのことばかりで神山くんに全然目を配れていなかったことに気づいてしまった。
自分から神山くんをこの家に連れてきて。
望さんのことも神山くんのことも全部自分のせいなのに"自分だけ"って舞い上がっていた。
『私…探してくる』
そう言った私は慌てて家を飛び出して。
「面白いことになりそうやな、望に報告しよっと!」
いつの間にかリビングにいた大毅くんがそう言っていたことなど知る由もない私はひたすら走り続けた。
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ブラックな少女 - 始めまして、笑いあり、ドキドキありの、お話で面白かったです!個人的に流星くんがすきでした! (2022年8月7日 21時) (レス) @page49 id: 3cbd83fd77 (このIDを非表示/違反報告)
りってぃ(プロフ) - ちゃきさん» 初めまして(^^)コメント残していただき本当にありがとうございます…!そう言っていただき嬉しいです(:_;)面白かっただなんて…ありがたいお言葉ありがとうございます…!また機会があれば書こうと思っているのでそのときはぜひ見にきてくださいね(..)! (2021年10月7日 16時) (レス) id: ccea52b7dc (このIDを非表示/違反報告)
ちゃき(プロフ) - 初めまして!毎回更新されるのを楽しみにしていたので完結してしまったのが少し寂しいですが、キュンキュンできて本当に面白かったです!このシリーズはずっと読んでいられるのでまたいつか出るのを楽しみにしてます!ありがとうございました! (2021年10月4日 22時) (レス) id: 29b8e7862d (このIDを非表示/違反報告)
りってぃ(プロフ) - manaさん» わわっ!そう言っていただきとても嬉しいです!(:_;)続編希望のお言葉まで本当にありがとうございます(..)続編の件ぜひ検討させていただきますね!また書くことになったときはよろしくお願いいたします!(';')** (2021年5月3日 11時) (レス) id: ccea52b7dc (このIDを非表示/違反報告)
mana(プロフ) - とても面白かったです!もし良ければ続編希望です! (2021年5月3日 0時) (レス) id: be6f20fff2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りってぃ | 作成日時:2021年2月21日 18時