ハウス80. ページ37
じーっとこちらを見つめる神山くん。
そんな神山くんに私はただその場に立ち尽くすだけだった。
「初めて会ったときから安藤さんのことが好きやった」
「彼氏がおるってこともずるいってことも分かってる、けど諦められへん」
そう言って一歩ずつこちらに近づいてくる神山くん。
そんな神山くんに私はどうしたらいいか分からなくなってしまった。
答えはもう出てるはずなのに。
突然の出来事になかなか口が開かなかった。
『私……』
どうしよう、なんて言おう。
まさか告白されるなんて思ってなかったから返事の仕方が分からない。
そうや、流星くんに告白されたときを思い出そう。
あのとき私はどうやって断ったんやっけ。
あかん、あまりにもの衝撃にど忘れしてもうた。
すると突然後ろから誰かに強引に引き寄せられて。
私はあっという間にその人の胸の中にすっぽり入ってしまった。
……こ、この匂い。
鼻を掠める心地良い匂いに私は一気に心拍数が上がっていった。
「むり、お前にはあげへん」
『の、望さん……』
嬉しくて仕方がなかった。
突然の望さんの登場に神山くんは相当動揺している様子だった。
「俺は安藤さんからの返事が聞きたっ……」
「むり」
「な、なんでそんなこと……」
「俺はこいつの彼氏やから、お前なんかに渡すつもりない」
いつもの望さんに涙が出そうになってしまって。
ぎゅっと強く私を抱きしめる望さんに幸せが溢れてしまった。
「な、何なんですか急に……」
「それはこっちのセリフや、急に現れてどういうつもりやねん」
「なんか思ってた人とちがっ……」
「こいつがお前と友達やって言うから遠慮してただけや」
の、望さんがいつもの望さんに戻ってる。
そんな望さんに目の前の神山くんはあんぐりと口を開けていた。
「お前あんまり他の男のところフラフラすんなよ」
『は、はいっ……』
望さんがいつもの望さんだ。
嬉しくなって目の前の望さんに抱きつけば望さんも優しく抱きしめてくれた。
「ど、どうなってんねん……」
小さな声でそう呟いた神山くんはそそくさとベランダを出ていってしまって。
『やっぱり私のこと大好きなんですね、望さん！』
「うるさい、自惚れんな」
どこまでもツンデレな望さんにまた好きが増えてしまった。
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ブラックな少女 - 始めまして、笑いあり、ドキドキありの、お話で面白かったです！個人的に流星くんがすきでした！ (2022年8月7日 21時) (
レス) @page49 id: 3cbd83fd77 (このIDを非表示/違反報告)
りってぃ(プロフ) - ちゃきさん» 初めまして(^^)コメント残していただき本当にありがとうございます…！そう言っていただき嬉しいです(:_;)面白かっただなんて…ありがたいお言葉ありがとうございます…！また機会があれば書こうと思っているのでそのときはぜひ見にきてくださいね(..)！ (2021年10月7日 16時) (レス) id: ccea52b7dc (このIDを非表示/違反報告)
ちゃき(プロフ) - 初めまして！毎回更新されるのを楽しみにしていたので完結してしまったのが少し寂しいですが、キュンキュンできて本当に面白かったです！このシリーズはずっと読んでいられるのでまたいつか出るのを楽しみにしてます！ありがとうございました！ (2021年10月4日 22時) (レス) id: 29b8e7862d (このIDを非表示/違反報告)
りってぃ(プロフ) - manaさん» わわっ！そう言っていただきとても嬉しいです！(:_;)続編希望のお言葉まで本当にありがとうございます(..)続編の件ぜひ検討させていただきますね！また書くことになったときはよろしくお願いいたします！(';')** (2021年5月3日 11時) (レス) id: ccea52b7dc (このIDを非表示/違反報告)
mana(プロフ) - とても面白かったです！もし良ければ続編希望です！ (2021年5月3日 0時) (レス) id: be6f20fff2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りってぃ
| 作成日時：2021年2月21日 18時
