ハウス73. ページ30
何だか望さんの様子がおかしかったのは気のせいだろうか。
でもいつも通りだったし神山くんのことも特に気にしていない様子だったし。
なのにこんなにも胸がざわざわするのはなぜなんだろう。
『照史くん、色々気遣わせてほんまにごめん』
「全然ええよ、Aは人助けをしただけなんやから!」
洗い物をしている照史くんにそう言うと優しい笑みを浮かべてそう言ってくれた照史くん。
そんな照史くんに"洗い物は私がするから!"と言えば照史くんは"めっちゃ嬉しいわ!ありがとう!"と言ってお風呂に入りにいってしまった。
『うわぁ…結構量あるなぁ……』
照史くんはいつもこの量の食器を洗っているのか。
それに神山くんが加わったからまた一つ洗い物の量が増えている。
「安藤さん、俺も手伝うわ」
『え、大丈夫大丈夫!一人でやれるから!』
「一人でやるより二人でやる方が効率ええやろ?」
『じゃ、じゃあ…お言葉に甘えて……』
"さぁ!洗い物しよう!"と思って腕まくりをしたと同時にソファに座っていた神山くんにそんなことを言われてしまって。
慌てて断ろうとするも神山くんの上手い言い方につい了承してしまった。
うぅ…なんか気まずい。
多分気まずいと感じているのは私だけなんやろうけど。
「この家にお邪魔させてもらってから安藤さんとあんまり話せてへんなぁって思って」
『ガヤガヤしててごめんな?』
「ううん、その方がちょうどいい」
『…ほんまに?』
"まぁ、ちょっと落ち着かへんけど…"と言った神山くんに思わず笑みが零れてしまって。
しばらく洗い物をしていると階段を下りてくる望さんが目に入ってきた。
『あ、望さん…!』
そう言って望さんの方を見れば望さんは驚いたようにこちらを見つめていて。
そんな望さんはどこか気まずそうに私から目を逸らしていた。
「お前いつも洗い物なんかせえへんのに珍しいな」
『今日は照史くんにお詫びしたかったから……』
私の言葉に"お詫びって何やねん"と言った望さんは冷蔵庫から水を取り出していて。
シーンッと静まり返ったキッチンに何だか気まずく感じてしまった。
すると鼻歌を歌いながら階段を下りてきた大毅くんと目が合って。
「Aと神山くん新婚さんみたいやなぁ〜!」
"一緒に皿洗いしてる!"と言った大毅くんに冷や汗が止まらなくなった。
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ブラックな少女 - 始めまして、笑いあり、ドキドキありの、お話で面白かったです!個人的に流星くんがすきでした! (2022年8月7日 21時) (レス) @page49 id: 3cbd83fd77 (このIDを非表示/違反報告)
りってぃ(プロフ) - ちゃきさん» 初めまして(^^)コメント残していただき本当にありがとうございます…!そう言っていただき嬉しいです(:_;)面白かっただなんて…ありがたいお言葉ありがとうございます…!また機会があれば書こうと思っているのでそのときはぜひ見にきてくださいね(..)! (2021年10月7日 16時) (レス) id: ccea52b7dc (このIDを非表示/違反報告)
ちゃき(プロフ) - 初めまして!毎回更新されるのを楽しみにしていたので完結してしまったのが少し寂しいですが、キュンキュンできて本当に面白かったです!このシリーズはずっと読んでいられるのでまたいつか出るのを楽しみにしてます!ありがとうございました! (2021年10月4日 22時) (レス) id: 29b8e7862d (このIDを非表示/違反報告)
りってぃ(プロフ) - manaさん» わわっ!そう言っていただきとても嬉しいです!(:_;)続編希望のお言葉まで本当にありがとうございます(..)続編の件ぜひ検討させていただきますね!また書くことになったときはよろしくお願いいたします!(';')** (2021年5月3日 11時) (レス) id: ccea52b7dc (このIDを非表示/違反報告)
mana(プロフ) - とても面白かったです!もし良ければ続編希望です! (2021年5月3日 0時) (レス) id: be6f20fff2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りってぃ | 作成日時:2021年2月21日 18時