ハウス69. ページ26
あれから数日。
珍しく寝坊をして慌てて大学へ向かうと神山くんの隣の席しか空いてなくて。
少し気遣いながら隣に座れば、どこか浮かない顔をした神山くんと目が合ってしまった。
……神山くん顔色悪いような。
体調悪いのかな、声掛けてあげた方がいいのだろうか。
実はあの日から私はなるべく神山くんと距離を置くようにしていて。
友達としての距離は保ちつつ近くなりすぎないように接していた。
『顔色悪いけど…どうかした？』
「あ、あぁ……」
恐る恐る話しかけてみると渋々返事をしてくれた神山くん。
そんな神山くんはやっぱり何かあった様子だった。
うぅ…あんまり深入りしないように心掛けていたのに。
でも…こんな深刻な顔をしている人を放っておけない。
『話だけなら全然聞くけど……』
「実は…俺の住んでるマンションが家事になって……」
『えぇえええ！！！』
「上の階が家事になったみたいで俺の部屋も全焼してもうてさ」
そう言った神山くんはどこか気まずそうに頭を掻いていて。
"へへっ"と笑う神山くんは相当落ち込んでいる様子だった。
『神山くんは？怪我はない？』
「たまたまそのとき外出してたから」
『はぁ…ほんまに良かったっ……』
「ふはっ…自分のことのように喜んでくれるんやな」
神山くんに怪我がないと知って一安心すれば隣に座る神山くんにクスッと笑われてしまって。
何だか久しぶりに気を遣わずに話せた気がして気づけば私も笑っていた。
『じゃあ…どこで寝泊まりしてるん？』
「実は…住むところなくてさ」
『え、大丈夫なん…？』
「ホテルに泊まったりしてるねんけどお金とかが結構きつくて」
そう言った神山くんに思わず同情してしまって。
ホテルって結構高いしこのまま泊まり続けるのはしんどいよなぁ。
『実家とかは？』
「親と喧嘩してて帰りづらくて…それに大学も遠くなるし」
"こんなこと安藤さんに話してごめん"そう言った神山くんに胸が痛くなって。
親と喧嘩してて帰りづらい気持ちは痛いほど分かる、誰にも頼れないのはとても苦しいはずだ。
だめなことって分かっているはずなのに。
でもこんなに困っている人を目の前にして無視するわけにはいかなかった。
『じゃあ…しばらく私が住んでる家に来る？』
そう言った私に神山くんは"え？"と驚いたような顔をしていた。
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ブラックな少女 - 始めまして、笑いあり、ドキドキありの、お話で面白かったです！個人的に流星くんがすきでした！ (2022年8月7日 21時) (
レス) @page49 id: 3cbd83fd77 (このIDを非表示/違反報告)
りってぃ(プロフ) - ちゃきさん» 初めまして(^^)コメント残していただき本当にありがとうございます…！そう言っていただき嬉しいです(:_;)面白かっただなんて…ありがたいお言葉ありがとうございます…！また機会があれば書こうと思っているのでそのときはぜひ見にきてくださいね(..)！ (2021年10月7日 16時) (レス) id: ccea52b7dc (このIDを非表示/違反報告)
ちゃき(プロフ) - 初めまして！毎回更新されるのを楽しみにしていたので完結してしまったのが少し寂しいですが、キュンキュンできて本当に面白かったです！このシリーズはずっと読んでいられるのでまたいつか出るのを楽しみにしてます！ありがとうございました！ (2021年10月4日 22時) (レス) id: 29b8e7862d (このIDを非表示/違反報告)
りってぃ(プロフ) - manaさん» わわっ！そう言っていただきとても嬉しいです！(:_;)続編希望のお言葉まで本当にありがとうございます(..)続編の件ぜひ検討させていただきますね！また書くことになったときはよろしくお願いいたします！(';')** (2021年5月3日 11時) (レス) id: ccea52b7dc (このIDを非表示/違反報告)
mana(プロフ) - とても面白かったです！もし良ければ続編希望です！ (2021年5月3日 0時) (レス) id: be6f20fff2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りってぃ
| 作成日時：2021年2月21日 18時
