[続] シ ェ ア ハ ウ ス ２ ≪ Nozomu.K ≫

ハウス46. ページ2

あれからあっという間に夜になって。

流星くんも帰っていっていつもの落ち着いた雰囲気に戻った。



……ような気がしていたのだが。









「俺が作るって言ってるやろ！！」


「あかん！今日の夕食はハンバーグやから俺が作る！」



「ハンバーグぐらい俺でも作れるし〜！」


「調子に乗るな！黒焦げのハンバーグ作られたら困るやん！！」



照史くんと大毅くんが大喧嘩中。

どうしても料理がしたい大毅くんと大好物のハンバーグだけは美味しい状態で食べたい照史くん。



そんなこんなで時計の針は20時を指していた。









「もうこんな時間やん」


『あ、望さん……』



いつの間にか部屋から出てきた望さん。

そんな望さんはソファに座る私の隣に腰掛けていた。



……最近騒がしい日が続いていたからこうして望さんと隣に座るのは久しぶりかもしれない。

距離はそんなに近くないのにどこか意識してしまう自分がいた。









「よし！こうなったら寒さ対決や！！」


「ええよ！絶対俺が勝つからな！照史寒さに弱いやろ！」



「じゃあ服脱いでベランダ行くで！」


「家の中に入ってもうた方が負けやからな！」



そう言って半袖の服を脱いだ二人。

謎の提案もする照史くんもその提案を受け入れる大毅くんも相変わらずだなと思わされた。









「醜い争いやな」


『ふふっ…賑やかで楽しい』



「あいつらお前が来たばっかりのころは気遣ってたのに今となればやりたい放題やな」


『なんか…家族として認められた気がして嬉しいです』



堂々と裸を見せられるのは少し複雑だけど。

照史くんと大毅くんの素の部分がたくさん見れて幸せだ。









「さっむ！これあかん！地獄や！！」


「死ぬ死ぬ死ぬ！！照史早くギブアップしろよ！！！」



叫びまくっている二人がおかしくて思わず笑みを溢せば隣から視線を感じて。

ちらっと望さんの方を見ればじーっとこちらを見つめている望さんと目が合って思わず動揺してしまった。




……き、気まずい。









『私先にお風呂入ってこようかな…！』



そう言ってその場を立つと同時に隣からガシッと腕を掴まれて。

望さんの男らしい手にドキドキしてしまった。









「じゃあ一緒にお風呂入るか？」









そう言って余裕そうに見つめてくる望さんに動揺が止まらなくなって。









"なっ…！！"と言った私に望さんは馬鹿にしたように笑っていた。

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