レ ン タ ル 彼 氏 ≪ Daiki.S ≫

レンタル12. ページ12

あれから数日。



なぜか私は今…駅前にいる。

もう一生会うこともないと思っていたレンタル彼氏の重岡さんと会うことになってしまったからだ。






桃花がキャンペーンの予定も勝手に決めていたらしく。

"実は日付もう決めてるねん！"と言った桃花に私は行くという選択肢しかなくなってしまった。



……もう最悪や。

レンタル彼氏の権限は桃花が持ってるしどうしようもない。









一人でもやもやしているといつの間にか来ていた重岡さん。

そんな重岡さんは"お久しぶりです"と言って微笑んでいた。



…出た！偽物の笑顔！









「キャンペーン当選したんですね、おめでとうございます！」


『あ、ありがとうございます……』



「1000人に1人しか当たらないぐらいの確率なんですよ」


『そ、そうなんですね……』



なんていう確率で当たってしまったんだ。

それも解約していたのに…変なところで運を使ってしまった気がする。



目の前の重岡さんは"なので今日のデートはスペシャルコースです"と言って微笑んでいた。









『あ、あの…スペシャルコースって……』


「今日は無制限で無料でどこでもデートに行けます！」



"時間も自由なんですよ！"と言って微笑んだ重岡さんに戸惑いが隠せない。

いやいや…無制限とか言われても。



目の前でにこにこ微笑んでいる重岡さんは"どこか行きたいところあります？"と言っていて。

困った様子の私を見て重岡さんは"じゃあ映画でも行きましょ！"と言っていた。








「映画見るの久しぶりなので楽しみです」









そう言って微笑んだ重岡さんに私は苦笑いを浮かべるだけだった。









.



あれから私と重岡さんは無事に映画を見終えて。

重岡さんのおすすめした映画はなかなか面白くてつい見入ってしまった。



……なんか私と趣味が似てる気がする。









「あ！あそこの太鼓の達人しましょ！！」


『いやいや…リズム感ないのでできませんって』



ゲームセンターに入るなりそんなことを言い出す重岡さん。

そんな重岡さんは"いいじゃないですか〜！"と言いながら私の腕を引っ張っていた。




……なんか今日の重岡さんいつもと違う気がする。









なんか子供っぽいっていうかはしゃいでるっていうか。









初めて見る重岡さんのわくわくしている姿にほんの少しだけ胸が高鳴った。

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