[続] シ ェ ア ハ ウ ス ≪ Nozomu.K ≫

ハウス43. ページ43

あれからしばらく望さんと言い合いを続けているとインターホンが鳴り響いて。

慌てて玄関まで駆けつければ"久しぶり！"と言ってこちらに手を振る流星くんがいた。









『流星くん…！久しぶり…！』



そう言ったと同時になぜか望さんも玄関までやってきて。

そんな望さんは私の頭にポンッと手を置いていた。









「何しにきたん、また邪魔する気か？」



そう言って流星くんを挑発する望さんは相変わらずで。

そんな流星くんの手にはなぜか大きな花束があった。









「この間Aの誕生日やったって聞いてプレゼント持ってきただけやで、はいどうぞ」


『あ、ありがとう……』



そう言って花束を渡してきた流星くんに私は慌ててそう言って。

目の前で優しく微笑む流星くんは相変わらず王子様みたいだった。






な、なんか…大毅くんからも花束もらった気がする。

やっぱり従兄弟ってどこかしら似てる部分があるんやなぁ。



大毅くんと流星くんの言動がそっくりすぎて思わず笑ってしまった。









「お誕生日おめでとう」


『流星くん、わざわざほんまにありがとう』



そう言って微笑んだ流星くんに慌てて微笑み返せば隣にいた望さんにぶにゅっとほっぺを掴まれてしまって。

そんな望さんは"嬉しそうな顔すんな"と言ってこちらを見下ろしていた。









『や、やめてくださいよ…！』


「そっちがヘラヘラしてるのが悪いねん」



目の前の望さんは私のほっぺを掴んだまま離さなくて。

"ふはっ…"と言って楽しそうにこちらを見つめる望さんは相変わらずだった。









「楽しそうやな、二人とも」



そう言って微笑む流星くんは今までで一番優しい顔をしていて。

"順調みたいで良かったわ"と言った流星くんは改めて紳士だなと思った。









「望に意地悪なことばっかりされてへん？」


『へへっ…大丈夫！』



「何かあったらすぐ俺のところ来ていいからな？いつでも相談乗るで？」


『ありがとう…！』



そう言って微笑んでくれた流星くんに慌ててそう言えば隣から強引に肩を掴まれてしまって。

慌てて隣を見れば流星くんを睨みつける望さんがいた。









「お前の入る隙はないからな、今度二人でパンケーキ食べに行く予定あるから」









え…さっきまであれだけ焼肉が食べたいって言ってたのに。









真剣な眼差しでそう言った望さんにこれでもかというほど胸が高鳴った。

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