[続] シ ェ ア ハ ウ ス ≪ Nozomu.K ≫

ハウス27. ページ27

あれから一週間。



大毅くんと望さんと私だけで暮らす生活も無事に終了。

照史くんが帰ってきて再び四人での生活に戻った。







結局私は望さんに敬語を外すことはなく呼び捨てで呼ぶこともなく。

相変わらず敬語で話し、さらには"望さん"呼びで接している。









『望さん、おはようございます』



そう言って望さんに挨拶をすればちらっとこちらを見た望さん。

そんな望さんは返事もせずキッチンへ行ってしまった。




え…？まさかのスルー？

挨拶してるのにガン無視？返事なし？



…という状況が続いていてあまり望さんと話せていない。

まぁ、理由は私が頑なに敬語を外そうとしないからだろう。









「オムライスできたで〜！」


「うひょ〜！美味そう！」



久しぶりの照史くんが作る料理。

私の隣でガツガツと食べる大毅くんに思わず笑みが零れた。









「そういえば三人での生活どうやった？」


「…俺と望がめっちゃ家事頑張ってん！」



「すごいやんか〜、他に何か変わったこととかあった？」


「他に変わったこと…あ！」



質問攻めをする照史くんに何かを思い出したかのようにそう言った大毅くん。

そんな大毅くんはなぜか私と望さんを交互に見つめていた。









「Aと望が最近怪しいっていうか……」


「え？二人とも何かあったん？」



「俺がおらん間に二人でおること多いしこの間なんかAが望に話しかけててさ…明らかに怪しくない？」


「別に普通ちゃう？よくあることやで？」



ば、ばれてる…！！

やっぱり照史くんがいないからって調子に乗って望さんに話しかけたりしなければ良かった。



私の隣に座る大毅くんはドヤ顔で望さんのことを指さしていた。









「ずばり！二人はどういう関係なんですか！」



そう言って自信満々に望さんを見つめる大毅くんに望さんはしばらく黙り込んで。

ちらっと私を見た望さんは悪魔のような笑みを浮かべていた。









「こいつが俺のこと好きってアピールしてくるねん」



そう言った望さんに思わず驚いてしまって。

照史くんと大毅くんは"えぇええええ！！"と言っていた。



な、な、な…！！！

なんで私が望さんに一方的に好意を寄せてることになってるねん！！！








ちらっと望さんの方を睨めば余裕そうに笑う望さんと目が合って。









「告白は受け入れられへんわ、ごめんな」









そう言って去っていく望さんはやっぱり悪魔だと思った。

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