[続] シ ェ ア ハ ウ ス ≪ Nozomu.K ≫

ハウス18. ページ18

あれからあっという間に夜になって。

私は一日中部屋で過ごしていたけどその間も二人は家事を頑張っていたらしい。



……私だけダラダラして少しだけ罪悪感。

でも家事をやろうとしたら大毅くんに止められるから仕方ない。









ゆっくりとした足取りでリビングへ向かえば照史くんのエプロンをつけた望さんがいて。

そんな望さんは真剣な顔で料理をしていて思わず笑みが零れてしまった。



……やばい、かっこよすぎる。

たまらなくなってスマホで望さんのことを盗撮すればカメラ越しに望さんと目が合ってしまった。








「……何してんねん」


『べ、別に？何もしてませんけど？』









慌ててスマホを隠す私を目の前の望さんは不思議そうに見つめていて。









私は今撮った写真を宝物にしよう…と心の中でそう誓った。









.



あれから数分後。





「こ、これは……」



そんな大毅くんの声が響き渡る食卓。

私たちの目の前には真っ黒に焦げたハンバーグが置かれてあった。



……黒い、黒すぎる。









「……何やねん」


「いやぁ…いくら何でも黒すぎひん？」



どこか不機嫌そうにそう言った望さんに大毅くんはそう言って。

そんな大毅くんに目の前の望さんはムスッとした顔をしていた。









「文句言うなら食うな」


「わ、分かったって…食べるから望が先に食べてや」



そう言った大毅くんに望さんはハンバーグを一口食べて。

そんな望さんはたちまち渋い顔へ変わっていった。









「にっが……」


「ほら！やっぱり！！」



そう言って水を流し込む望さんは本当にまずいという顔をしていて。

"どうすんねん、これ"と言った大毅くんに望さんは"しゃーないから捨てる"と言っていた。




……え、せっかく望さんが作ってくれたのに。

たまらなくなった私は目の前のハンバーグをパクパクと食べた。









「おい、お前なに食って……」


『美味しいじゃないですか！全然食べられます！』



私は目の前のハンバーグを無我夢中で口の中に運んで。

そんな私を二人はあんぐりと口を開けて見つめていた。



……に、苦いけど美味しい。









『こんな美味しいもの食べないなんてもったいないです！』


『食べないなら私が二人の分もらいます！！』








そう言って二人からハンバーグを奪い取って。









パクパクと食べていれば望さんの"ふはっ…"という笑い声が聞こえてきた。

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