シェア08. ページ8
あれから私は朝食を食べて。
大学が始まる時間が近づいてきて慌てて家を出た。
駅まで早足で歩いていると後ろから"Aちゃ〜ん！"という声が聞こえて。
慌てて後ろを振り返ればにこにこ笑顔の大毅さんがこちらに手を振っていた。
『大毅さんどこか出かけるんですか？』
「俺も今日大学あるから良かったらAちゃんと一緒に行きたいなって思って」
そう言って微笑んだ大毅さんに私も微笑み返す。
"一緒に行きましょう！"そう言った私に大毅さんはまた嬉しそうに微笑んだ。
.
あれから私たちは電車に乗って。
空いている席に二人並んで腰掛けた。
「朝の望のやつ言いがかりやろ？ほんまごめんな？」
『でも昨日プリンのこと言ってもうたのは本当なので……』
「それで望が怒ってもうたんや？」
『そうなんです、何かと目つけられてもうて……』
私の言葉に"ははっ"とどこか面白そうに笑う大毅さん。
そんな大毅さんは"ほんまあいつ相変わらずやなぁ"と言っていた。
『でも…さっきのあんな風に言っちゃって良かったんですか？』
「あぁ、望のこと説教したやつ？」
『私はめっちゃ嬉しかったんですけど弟さんなのに大丈夫なのかなって』
「ええねんええねん、あいつにはあれぐらいがちょうどいい」
"それにこれから一緒に住む大事なAちゃんのこと悪く言うの許されへんし"って。
そう言ってちらっとこちらを見た大毅さんは優しく微笑んでいた。
まさかそんなことを言われると思っていなくて思わず泣きそうになってしまった。
『望さんっていつもあんな感じなんですか？』
「そうやで、大学でもよく告白されてるらしいけどひどい振り方して泣かせてるらしい」
『うわぁ…なんかめちゃめちゃ想像つく……』
「ほんまにあいつはすごいで、照史も頭抱え込んでるもん」
そう言った大毅さんは"昔はまだ優しいところもあったんやけどな"と呟いていて。
私は何だかその一言が妙に引っかかってしまった。
『昔っていつぐらいですか…？』
「高校入るまでかなぁ、高校生になってから徐々にひどくなっていってん」
"高校卒業するときはすでに今みたいな感じやったわ"そう言って笑う大毅さん。
へぇ…昔は優しいところもあったんや。
"全く想像できないです"そう言えば大毅さんは"確かにそうやな"と笑っていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 740人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
りってぃ(プロフ) - 瑠璃さん» 返信ありがとうございます(T_T)まだまだ先は長くなりますが頑張っていきたいと思います！優しいお言葉励みになります(;_;)！ (2020年11月23日 15時) (
レス) id: 77b9b24db3 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃(プロフ) - りってぃさん» いえいえ！！これからも是非頑張ってください！応援してます！ (2020年11月22日 11時) (レス) id: 934ccc594a (このIDを非表示/違反報告)
りってぃ(プロフ) - 瑠璃さん» わわわっ....神山担さんの方にもきゅんきゅんしていただけて本当に嬉しいです....！(笑)素敵なコメント残していただき本当に嬉しいです(T_T)これからも更新頑張りますね！ (2020年11月21日 23時) (レス) id: 77b9b24db3 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃(プロフ) - 毎回ドキドキさせてもらってます、(神山担)余りにもドキドキしすぎてコメントしました！これからも頑張ってください！ (2020年11月20日 19時) (レス) id: 934ccc594a (このIDを非表示/違反報告)
りってぃ(プロフ) - ナツコさん» すぐに飛んできてくださりありがとうございます！(笑)書きたいことがたくさんあって2まで続くことになりました！(^^)そう言っていただけて嬉しいです！パート2でもお付き合いよろしくお願いします('_')！ (2020年11月16日 17時) (レス) id: 4df73778e7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：りってぃ
| 作成日時：2020年10月20日 22時
