シェア34. ページ34
"し、心臓止まるかと思ったぁ…"と小声で呟く大毅さん。
私もそんな大毅さんと全く同じ気持ちだった。
「ほら、できたで！」
そんな私たちの地獄の空気をかき消してくれるかのようにそう言った天使の照史さん。
にこにこ笑顔の照史さんは私たちの前に美味しそうなトンカツを並べていた。
『うわぁ！美味しそう！！』
「相変わらず食い意地張ってんな、お前」
目の前のトンカツにキラキラと目を輝かせているとそんな声が聞こえて。
慌てて顔を上げればどこか偉そうにこちらを見つめる望さんがいた。
…な、何で話しかけてくるん。
「おぉ、Aちゃんいつも以上に元気やな？」
『はい！トンカツが一番好きな食べ物なので！』
照史さんにそう聞かれて慌ててそう答えれば隣に座る大毅さんは"そしたら早く食べよか！"と言ってくれて。
なぜかその間も望さんはじーっとこちらを見つめていた。
…い、一体どういうつもりなんや？
不思議に思いつつもトンカツを一口食べる。
サクサクと音を立てるトンカツはあまりにも美味しくてついパクパクと食べてしまって。
ちらっと顔を上げればまだこちらを見ていた望さんと目が合ってしまった。
「ふはっ…お前ここに置いてあるトンカツ全部食うなよ」
『そ、そんな食べませんよ……』
突然望さんに話を振られてどうしていいか分からなくなってしまう。
隣に座る大毅さんは"ほらほら〜！"とでも言うように肩で私の身体をツンツンとしてきた。
何度も私に話しかける望さんを見て不思議そうな顔をしている照史さんと目が合って。
これはやばい…と思った私は慌てて"そういえば！"と話を切り替えた。
『大学のレポートまだ終わらんくて…明日締め切りやのに……』
「Aちゃんずっと部屋に籠りっきりで頑張ってたもんな〜」
私の言葉に優しくそう返してくれる照史さん。
そんな照史さんは"あともうひと踏ん張り頑張れ"と言ってくれた。
「そんなんさっさとやらへんのが悪い」
突然そんなことを言ってくる望さんにまた背筋が凍ってしまって。
大毅さんは相変わらずにやにやしているし照史さんは望さんに驚きまくって5度見ぐらいしてるし。
『な、なんか望さん変じゃないですか？』
「はぁ？別にいつも通りやけど？」
思い切ってそう聞いても返ってくる言葉は"いつも通り"ただそれだけだった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 740人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
りってぃ(プロフ) - 瑠璃さん» 返信ありがとうございます(T_T)まだまだ先は長くなりますが頑張っていきたいと思います！優しいお言葉励みになります(;_;)！ (2020年11月23日 15時) (
レス) id: 77b9b24db3 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃(プロフ) - りってぃさん» いえいえ！！これからも是非頑張ってください！応援してます！ (2020年11月22日 11時) (レス) id: 934ccc594a (このIDを非表示/違反報告)
りってぃ(プロフ) - 瑠璃さん» わわわっ....神山担さんの方にもきゅんきゅんしていただけて本当に嬉しいです....！(笑)素敵なコメント残していただき本当に嬉しいです(T_T)これからも更新頑張りますね！ (2020年11月21日 23時) (レス) id: 77b9b24db3 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃(プロフ) - 毎回ドキドキさせてもらってます、(神山担)余りにもドキドキしすぎてコメントしました！これからも頑張ってください！ (2020年11月20日 19時) (レス) id: 934ccc594a (このIDを非表示/違反報告)
りってぃ(プロフ) - ナツコさん» すぐに飛んできてくださりありがとうございます！(笑)書きたいことがたくさんあって2まで続くことになりました！(^^)そう言っていただけて嬉しいです！パート2でもお付き合いよろしくお願いします('_')！ (2020年11月16日 17時) (レス) id: 4df73778e7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：りってぃ
| 作成日時：2020年10月20日 22時
