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私が初めて望さんに反発した日から一週間が経った。
あれ以来、望さんとは話していない。
……というより私が望さんから逃げている。
『…地獄や』
あのときは勢いでそう言ってしまったけど。
言い終わった後にすぐに気づいてしまった、とんでもないことを言ってしまったと。
≪ 私は何言われてもどんなことされても絶対出て行きませんから!! ≫
≪ 誰が何と言おうと私はここで暮らします!! ≫
望さんはあの後も顔を合わせる度に睨んできて。
そんな望さんと関わりたくなくて顔を合わせたときはすぐに逃げるようにしている。
うわああ…あのときなんてこと言ってしまったんだ自分。
リビングのソファで悶々と考えていると突然大毅さんがやってきて。
そんな大毅さんはどこか嬉しそうに私の隣に腰掛けた。
「Aちゃん、これから一緒に出かけへん?」
そう言った大毅さんに私はつい勢いで"はい…!"と言ってしまった。
.
あれから私は大毅さんと一緒に家を出て。
そのままなぜか地元で有名なスイーツ屋さんに連れてこられた。
『うわぁ…美味しそう』
「何でも好きなもん頼んでええからな?」
メニューに載っているスイーツはどれも美味しそうで。
そんな大毅さんに甘えて私はチョコレートのパフェを注文した。
しばらくして運ばれてきたチョコレートパフェ。
そんなチョコレートパフェに勢いよくかぶりつけばチョコレートの味が口いっぱいに広がった。
『ふふっ…美味しい』
「やっぱり甘いもの好きやったんやな」
そう言ってパフェを食べ続けているとそんな大毅さんの声が聞こえて。
慌てて大毅さんの方を見れば大毅さんは全て見透かしたように微笑んでいた。
≪ 照史と大毅の分買ってきたから二人で食べて ≫
そういえば望さんが大学のドーナツを買ってきたとき私だけ仲間外れにされて。
そのとき気を遣わせたくなくて"甘いもの苦手"って言ったんだっけ。
……もしかしてそれでここまで連れてきてくれたのかな。
「Aちゃんってほんまに優しいよなぁ」
優しいのは大毅さんの方なのに。
目の前の大毅さんはパフェを頬張る私をただただ嬉しそうに見つめていた。
「Aちゃんならきっとこの家でも心地良く過ごせるようになるはずやで」
そう言って優しく微笑んだ大毅さんに胸が温かくなった。
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りってぃ(プロフ) - 瑠璃さん» 返信ありがとうございます(T_T)まだまだ先は長くなりますが頑張っていきたいと思います!優しいお言葉励みになります(;_;)! (2020年11月23日 15時) (レス) id: 77b9b24db3 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃(プロフ) - りってぃさん» いえいえ!!これからも是非頑張ってください!応援してます! (2020年11月22日 11時) (レス) id: 934ccc594a (このIDを非表示/違反報告)
りってぃ(プロフ) - 瑠璃さん» わわわっ....神山担さんの方にもきゅんきゅんしていただけて本当に嬉しいです....!(笑)素敵なコメント残していただき本当に嬉しいです(T_T)これからも更新頑張りますね! (2020年11月21日 23時) (レス) id: 77b9b24db3 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃(プロフ) - 毎回ドキドキさせてもらってます、(神山担)余りにもドキドキしすぎてコメントしました!これからも頑張ってください! (2020年11月20日 19時) (レス) id: 934ccc594a (このIDを非表示/違反報告)
りってぃ(プロフ) - ナツコさん» すぐに飛んできてくださりありがとうございます!(笑)書きたいことがたくさんあって2まで続くことになりました!(^^)そう言っていただけて嬉しいです!パート2でもお付き合いよろしくお願いします('_')! (2020年11月16日 17時) (レス) id: 4df73778e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りってぃ | 作成日時:2020年10月20日 22時