新 人 執 事 ≪ Daiki.S ≫

執事07. ページ7

翌日。



学校を終えて車に乗る。

そんな車は私の家とは逆方向へ走り出した。








「A様、今日は何をお買いになられるのですか？」


『今日はね〜、新しい服欲しくて』



そう、今日は神山と約束していた買い物の日だ。

私の隣で穏やかに微笑む神山は完璧にスーツを着こなしていた。









『今日はどこ行くん？』


「A様のお気に入りのデパートです」



神山が口にしたのは広くて何でも置いてあるデパート。

そこに行くと聞いて"やった！"と露骨に喜べば神山は優しく微笑んでいた。









今日は最高の日だ、あのうるさい重岡もいないし。









どんな服を買おうかななんて思いながら私はゆっくりと目を閉じた。









.


デパートに到着して神山とともに下車する。

ぴょんぴょんとはしゃいでる私に神山はゆっくりとついてきていた。









『どこのお店にしようかな〜』


「どういうのが欲しいんですか？」



『家でも着られるような可愛い夏服のワンピースとかいいなって思って』


「それならあそこのお店とかどうでしょう？」



昨日の夜こっそりネットで見て欲しいなぁと思っていた夏服のワンピース。

それを伝えれば神山はいとも簡単にその店へと案内してくれた。









『すごい！可愛い！！』


「A様は青がたくさん入っている服が似合うと思いまして」



『どれにしようかな〜！迷う！！』


「これとかどうでしょう？」



神山がおすすめのワンピースを紹介してくれて。

悩みに悩んで15分、やっとワンピースを一着購入することにした。









『どうかな？』


「めっちゃ似合ってますよ！夏っぽくて素敵です！」








私が選んだのは花柄がたくさん描かれている青のワンピース。









新しいワンピースに嬉しくなって私はそのまますぐに購入した。









.


あれからワンピースを一着だけ買ってソファで休憩。

"ふぅ"と一息ついた私を見た神山はまた微笑んでいた。









「最近重岡とはどうなってます？」


『うーん…相変わらずヘラヘラしてるし仕事できないし……』



"やっぱり新人はきついかなぁ"と言えば神山は苦笑いを浮かべていて。

"やっぱりそうですよね…"と一人で納得していた。









「重岡にもきっと執事としていいところあると思うんですけどね」









そう言った神山に私は何のことだか全く分からず渋々前を向いた。

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