新 人 執 事 ≪ Daiki.S ≫

執事29. ページ29

あれから数日。



私と重岡はこの間よりまたより一層仲が深まって。

最近は朝から夜までずっと一緒にいるようなそんな気がした。









「A様！おはようございます！」


『重岡…相変わらず朝から元気やね……』



朝はカーテンを強引に開けて重岡の大きな声で起きる毎日。

こんな毎日も何だかもうすっかり慣れてしまっていた。









「A様、朝食はフレンチトーストですよ！！！」


『今日はやけにうるさいなぁと思ってたらやっぱりフレンチトーストやったんやね』



テーブルに向かうなり楽しそうにそう言ってくる重岡。

黙々と食べていると横からキラキラとした眼差しを送られる。









『神山と重岡のフレンチトーストも作るようにシェフに頼んでくれる？』


「わーい！！！やったぁあああ！！」



重岡のキラキラの瞳に負けてそう言えばぴょんぴょん飛び跳ねながら喜ぶ重岡。

その姿を見て楽しそうに笑う神山がいて。



私の最近はとてもキラキラしてて笑顔が絶えなかった。









「ふふっ…A様見てください！！」


「シェフの方が粉砂糖とメープルシロップ多めにかけてくれましたよ！！」



きっとシェフも重岡のことはばっちり認知しているのだろう。

多めにかけてもらったことが嬉しかったのか私の隣の席でばくばくと美味しそうに食べていた。





神山は仕事中だから後で食べるって言っていたのに。

神山とは違って相変わらず遠慮のない重岡に思わず吹き出してしまった。









「しげ、仕事中ぐらいちゃんとしろ！」



そう神山に怒られているのに相変わらず目の前でにこにこしながら食べている重岡。

でもそんな重岡の笑顔はいつも愛くるしくて結局神山も許してしまう。




重岡は偉大だ、朝からみんなに笑顔とパワーをくれる。

"今日も一日頑張ろう"って心の底からそう思える。









「美味しいですね！A様！」


『う、うん……』



こうして誰かとご飯の美味しさを共有したり。

こんなに近くで誰かとご飯を食べたり。




そんなことしたことなくて目の前の重岡には毎日驚かされてばかりだ。









『重岡、口に粉砂糖いっぱいついてるで』


「へっ…どこですか？」








きょとんっとした顔で見つめている重岡の口元についている粉砂糖を拭ってあげる。









にこにこと嬉しそうに微笑む重岡に思わず私も微笑んだ。

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