執事14. ページ14
あの後は二人で会場を出て。
タオルを持って駆けつけてきてくれた神山と車に乗って家まで帰った。
『何で助けてくれたん?』
「あんなことになったらA様が傷つくと思って……」
そう言いながら大きいタオルで顔や髪を拭いている重岡。
そんな重岡はタキシードまでぐちゃぐちゃになっていた。
『でもあのままグラスが倒れてきてても私は被害なかったと思うで』
「え!!!」
『私より結構手前に倒れてたと思う』
「じゃあ…俺はただグラスをかかりに行った人ってこと……?」
実はグラスタワーは私から結構遠い距離にあって。
あのまま倒れてても大丈夫なはずなのに何も考えずに飛び込んできた重岡は相変わらずだ。
『でもありがとう、あの場から抜け出させてくれて』
そう言ってちらっと重岡の方を見れば重岡は窓の外を見つめていて。
"神ちゃん見て!めっちゃでかい星!!"と楽しそうに指を指していた。
『せっかくお礼言おうと思ったのに……』
少し腹が立ってぷいっと窓の外を見ればキラキラと大きな星が輝いていた。
.
家に帰って神山が重岡に着替えるように指示する。
着替えを持って執事専用部屋に入ろうとする重岡を慌てて止めた。
『あのさ…シャワーぐらい浴びたら?』
「え、でも……」
戸惑う重岡を無理矢理お風呂場まで連れて行って。
強引にお風呂場に入れてやれば重岡は渋々"ありがとうございます"と言っていた。
「あの…今日のやつ嫌でしたよね」
『今日ってグラスのやつ?』
"余計目立つようなことしてすみません"と部屋ごしにそう言った重岡。
重岡の様子は見えないが声は確実に悲しそうだった。
『別に重岡はそれでええやん』
"私は嬉しかったで"と素直にそう言えば静まり返る重岡。
我に返って"え!ほんまですか!"と言う重岡は相変わらずだった。
そんな重岡は"一つだけ言っていいですか"と言って。
「A様が全力で笑ってる姿初めて見ました」
"すっごい可愛かったです"そんな重岡の声が聞こえてきて。
突然のことに私は少しだけパニックになった。
「うわあああ!!!めっちゃ広いお風呂!!!!」
『ちょっと!声でかすぎるって!』
重岡のことはよく分からないけど案外いいやつなのかもしれないとそう思った。
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りってぃ(プロフ) - のんさん» そう言っていただき本当に嬉しい限りです(T_T)全部作品読んでくださるなんて本当に嬉しいです、のんさんも無理しない程度に作品読んでくださいね(;_;)!お気遣いありがとうございます、これからも頑張ります!(^^) (2020年10月20日 19時) (レス) id: 4df73778e7 (このIDを非表示/違反報告)
のん(プロフ) - めちゃめちゃ良かったです(;▽;)一気にファンになりました。今からりってぃさんの全作品読んできます!無理なさら無い程度でいいのでこれからも楽しみにしています!お身体にお気をつけてお過ごしください (2020年10月20日 13時) (レス) id: dc321bd858 (このIDを非表示/違反報告)
りってぃ(プロフ) - やさきみさん» やさきみさん!(T_T)いつもコメントいただいて本当に励みになってました、再開してからも早速コメントいただいて本当に嬉しい限りです(-.-)!また作品書いていく予定なので良かったら見てくださると嬉しいです!これからもよろしくお願いいたします!(;_;) (2020年10月19日 17時) (レス) id: 4df73778e7 (このIDを非表示/違反報告)
りってぃ(プロフ) - サブレさん» 長い間待ってくださりありがとうございます(T_T)今まで気長に待っていただき本当に感謝してもしきれません!昔の作品にも目を通してくださるなんて本当に何と言っていいか(;_;)これからも全身全霊頑張っていきますね! (2020年10月19日 17時) (レス) id: 4df73778e7 (このIDを非表示/違反報告)
りってぃ(プロフ) - しゅー!さん» ただいまです(;_;)本当に長い間待たせてしまって申し訳ないです(T_T)新作もすぐに更新していくつもりなので楽しみにお待ちください!1年間もの間楽しみに待っていただき本当にありがとうございました! (2020年10月19日 17時) (レス) id: 4df73778e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りってぃ | 作成日時:2019年8月14日 20時