同 居 男 女 ≪ Nozomu.K ≫

同居09. ページ9

『もうほんっまに最悪！！！』


「うわぁ…それは災難やったなぁ」



翌朝、もうほとんどクラスメイトが集まっている教室でため息を零す。

昨日あった出来事を事細かく理絵に話せば理絵は災難やなぁと言わんばかりの顔をしていた。






今日の朝もとにかく大変だった。

一緒に登校したら確実に怪しまれるであろう私たち。



ただでさえ別々に家を出るのが面倒くさいのに。





≪ あれ？これ歯ブラシどっちやったっけ？ ≫


≪ もう何で同じ色のやつ買ってるんよ！分からへんやんか！ ≫



朝から歯ブラシがどちらのか分からない現象が発生。

何で二人とも青色のしかも同じ種類の歯ブラシを買ってるんや。



結局小瀧は"こっちやろ"とか適当な方を選び歯を磨いていた。






『恐るべし歯ブラシ事件……』


「うわ、それめっちゃ嫌やな」



『やって私が使った方の歯ブラシ小瀧が使ったやつかもしれんねんで…』


「想像したらグロテスクやな」



"帰りに歯ブラシ買って帰ろ…"そう呟いてスマホに予定を入れる。

理絵は放課後塾とかピアノとか色々忙しいらしく私の放課後の予定はいつも空っぽだ。






『理絵〜、今度いつ遊べるん〜』


「とりあえず三か月後くらいにピアノのコンクールがあるからなぁ」



理絵はピアノがとても上手い、私から見ると世界レベルだ。

でもピアノ界ではまだまだライバルがたくさんいるらしい。



"コンクール終わったらいっぱい遊べるから許して〜"と言った理絵はさらに

"小瀧がおるからええやん〜、仲良くしとき〜"なんて軽く茶化してきた。






『嫌やわ！てゆうか仲良しというよりかは結構な不仲やわ！』


「はははっ…ちょっと茶化しすぎた？」



私の言葉に楽しそうに笑っている理絵。

そんな理絵を横目に窓からぼーっと校庭を眺めた。






『あ…藤井先輩』


「ほんまや、朝イチに見れてラッキーやん」



藤井先輩はいつものように校庭でサッカーをしていて。

もうすぐチャイムなるのにヤンチャやなぁ…なんて思いながらしばらく眺めていた。





…彼女とかおったりするんかな。

好きな人とかおったりするんかな。



……一度でいいから話してみたいな。






『あ、チャイムや……』







ぼーっと見つめているとチャイムが鳴り響いて。









もう少し見つめていたかったがやむを得ず自分の席に着いた。

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